「放送と通信の融合」は手のひらの上で起きている
923SHなどの辞書対応ケータイ端末が起こしている変革は、単にいつでも辞書が使えて便利といった点だけではない。
ケータイに機能としてオンライン辞書が搭載されるようになる前から、ケータイは得てして「ながら」情報検索のツールとして活用されてきた。それをよく象徴している言葉が、「放送と通信の融合は、僕の手のひらで起きている」である。
この名言とも言えるコメントは、慶應大学SFCで僕が携わっている「ネットワーク文化」を履修している学生の言葉であった。「放送と通信についてどう思うか?」という課題を出したときの回答だ。
すなわち、テレビを見ながら片手にはケータイがあり、出てきた言葉やタレントの名前などを検索エンジンで検索する。Wikipediaなどのオンライン辞書のページから手っ取り早く意味を知ることができる。
ケータイが最も手軽な検索窓となっている状況を、「手のひらでの融合」と表現しているのである。インパクトも十分だし、ワカモノの日常生活がにじみ出でいる、素晴らしい意見だと思った。
そんなケータイで手軽に検索をかける習慣を考えると、スマートリンク辞書機能はユーザーのケータイの日常生活での使い方をうまく吸い上げているように思える。
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