最後に、消費電力のチェックだ。今回は、CINEBENCH R15.0のCPUテスト実行時とアイドル時の消費電力をチェックしてみた。結果は、Core i7-4790Kと比べて、Core i7-6700Kはアイドル時、高負荷時とも消費電力が高まっていた。
第6世代Coreプロセッサーは、従来よりも省電力性が高められているはずで、この結果はやや意外であった。とはいえ、今回比較したCore i7-4790KのシステムとCore i7-6700Kのシステムでは、マザーボードやメモリーが異なっているため、この結果からCPUの純粋な消費電力を比べるのは難しい。
ただ、CINEBENCH R15.0の結果と合わせて考えると、Core i7-6700KはCore i7-4790Kに比べて処理能力が約7%向上しているのに対し、システム全体の消費電力は約5.6%高まっているだけだ。つまり、システム全体の電力効率はわずかではあるが向上していることになる。
このことから、第6世代Coreプロセッサーを利用したシステムは、第4世代を利用したシステムと比べて同等以上の省電力性を備えることは間違いないだろう。
描画能力の向上が大きな魅力
今回、いち早く第6世代Coreプロセッサーの性能をチェックしてみたが、CPU処理能力は従来より向上してはいるものの、その割合はそれほど大きくなかった。また、消費電力も大幅な低減は実現されておらず、やや拍子抜けといったところだ。
それでも、内蔵グラフィックス機能の描画能力は大きく向上しており、この点は魅力となるだろう。
Windows 10でサポートされたDirectX 12に対応するとともに、H.265のハードウェアエンコード・デコードにも対応する点も、今後Windows 10ベースのPCを自作する場面で有利に働くはず。
第5世代Coreプロセッサーまでとの互換性が失われた点は少々残念ではあるが、第6世代Coreプロセッサーは、Windows 10時代の自作PC用CPUとして中心的な存在になるのは間違いないなさそうだ。
この連載の記事
-
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 -
第432回
自作PC
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る -
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 - この連載の一覧へ