最後に消費電力だ。今回はサンワサプライのワットチェッカーを使い。アイドル時としてWindows起動後5分後の電力を、高負荷時としてOCCT CPUテスト実行時の最高電力を採っている。なお、電源ユニットは80PLUS GOLD製品であるあたりにも留意してほしい。
アイドル状態は定格時、OC時を含めて、設定コア電圧などがほぼ共通ということもあり、30Wで横並びとなった。高負荷時は見事にクロックとCPUコア電圧順に並んでいるが、注目したいのはi7-4770K OC状態に対してi7-4790Kの定格がかなり低いこと。
このあたりはやはり定格運用とOC運用の差を感じさせるところだ。また、i7-4790Kの定格がこのあたりのバランスにも配慮した仕様であろうことを想像させてくれる。
OC運用は腰を据えた取り組みが必要
むしろ定格設定のバランスが優秀!?
結論としては、確かにi7-4770Kに比べると性能は高く、とくに定格運用ではすばらしく魅力的だ。またアイドル時の消費電力の低さなど、Haswellの長所も失われていないのも素晴らしい。
しかし、ことOCに関しては、インテルのアピールとは逆に簡単ではなさそうだ。標準コア電圧も意外と高めで、4GHz後半から比較的高い電圧を必要とするというHaswellのクセも引き継がれているため、本格的なOCでの運用における発熱対策はi7-4770K以上に厳重にする必要がある。
もちろんドライアイスや液体窒素(LN2)といった、いわゆる極冷に挑むオーバークロッカーの場合は、間違いなく挑戦しがいのあるCPUだろう。
ということでこの“悪魔”、実物を触ってみる限り、OCに関しては予想より遥かに手強わそうだ。i7-4790Kはむしろ“殻割りしないi7-4770KのOC限界に近い速度を、まがりなりにも定格で実現できるCPU”と見た方が凄みとロマンがありそうな気もしている。
いずれにせよ、インテル側の価格が同じ以上、i7-4770Kからi7-4790Kへの世代交代は急速に進む点、そしてi7-4790Kが売れることはほぼ間違いなさそうだ。
※お詫びと訂正:記事初出時、CPUの型番の一部に誤記がありました。訂正してお詫びいたします。(2014年6月27日)
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