前へ 1 2 3 次へ

各社のZ97マザーどれを買えばいい? メーカー独自機能比較

“Ultra M.2”スロットがインパクト大のASRock製Z97マザー

文●加藤 勝明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Z97チップセット搭載マザーボードにはじまり、Devil's CanyonやPentium20周年モデルなど、ようやく2014年版の最新パーツで自作できる環境が整った。しかし肝心のマザーは、なにを買えばいいかわからない……という人も多いはず。

 そこで全4回にわたり、ASRock/ASUSTeK/GIGABYTE/MSI(アルファベット順)の4大マザーメーカーの中から、編集部オススメのZ97マザーを2枚ずつ紹介していく。

 第1回はASRockだ。古参の自作ユーザーと会話をすると、10回に4回は必ず“変態マザーが云々”という思い出話が出てくるメーカーだ。ただ近年のASRockは、他社にない独特の装備を持ちつつも、堅実かつ定番な設計になっている。そんなASRock製マザーをチェックしていこう。

約2万円のお手頃価格で高性能!
Z97 Extreme6

 Z97搭載のミドルレンジ級マザーの中で売れ筋の製品が「Z97 Extreme6」だ。価格の手ごろさはもちろんだが、2本搭載されたM.2スロット(後述)が非常に魅力的。

「Z97 Extreme6」。実売価格は2万1000円前後

 もちろん12フェーズ電源やASRock独自高耐久設計規格“ASRock Super Alloy”に対応、背面USBポートにはすべて静電気による損傷を防ぐ“ASRock完全スパイク保護”など、耐久性に対する備えも万全だ。

「Z97 Extreme6」スペック表
フォームファクター ATX
チップセット Intel Z97 Express
メモリー DDR3-3200+(OC)対応×4
拡張スロット PCI Express (Gen3) x16×2、PCI Express (Gen2) x16×1、PCI Express (2.0) x1×2、mini-PCI Express×1
ストレージ SATA Express×1、SATA 6Gb/s×10、Ultra M.2×1(PCI Express Gen3 x4)、M.2×1(SATAおよびPCI Express Gen2 x2対応)、eSATA×1
インターフェース USB 3.0×10(背面6、ヘッダピン4)、USB 2.0×6(ヘッダピン4、垂直Aコネクター1)、HDMI×1、DisplayPort×1、DVI-D×1、PS/2×1
ネットワーク Intel「I218-V」、Realtek「RTL8111GR」
サウンド 7.1ch HD Audio(Realtek ALC1150)

注目ポイント1
“Ultra M.2”スロットの存在

 Z97 Extreme6には他社製マザーにはない2本目のM.2スロット“Ultra M.2”が搭載されている。これは通常のM.2(Gen2 x2接続)と異なり、PCHではなくCPU側のPCI ExpressにGen3 x4で接続されている。

 帯域はM.2の10Gb/secに対し、Ultra M.2が32Gb/secと3倍以上太い。もちろんUltra M.2が活きるPCI Express接続のSSDがまだ存在しない(Samsung製SSD「XP941」など現行のSSDはGen2 x4接続)が、こうしたロマン溢れる装備はうれしいものだ。

ASRock独自の“Ultra M.2”スロット。PCI Express Gen3 x4で接続されるため高速

 ただしビデオカード用のレーンを分岐して設置してあるため、Ultra M.2使用時は1本目のx16スロットはx8動作、さらに2本目のx16スロットはx4動作になるため、マルチGPU構成時では足かせになるのは仕方のないところ。

 また、SATA接続のM.2にも非対応だ(もう1本のM.2はSATAにも対応)。ちなみに、Ultra M.2のすぐそばには、mini-PCI Expressスロットも搭載されている。

注目ポイント2
隠しドライブを作る“HDD Saver”

 Z97 Extreme6のユニークな機能のひとつが、マザー上の「HDD Saver」というシールの下に隠れたSATA用電源コネクターだ(隣のスイッチはBIOS切り替え用)。このコネクターから専用のSATA電源ケーブル(同梱)、さらにHDDへと接続することで、マザー側からドライブの電源をオン・オフできるのだ。

「HDD Saver」というシールの下に、電源のオン・オフが可能なSATA用電源コネクターが隠されている

 データ保存用で常時動かしたくないドライブをHDD Saver管理下におけば、HDDを不要な時は止めておけるという機能である。電源のオン・オフはBIOSはもとより、Windows上でも可能なので、秘密のデータの隠し場所としても使えそうだ。

電源のオン・オフはBIOSからだけでなく、Windows上からでも可能

注目ポイント3
CPU以外の温度でファンの回転制御

 一般的なマザーではケースファンの回転速度調整はCPU温度がトリガーになるが、CPU以外の温度は考慮されない。しかしZ97 Extreme6ではBIOS上で読み取れる“マザーボード温度”をトリガーに設定できる。

ケースファン回転速度のトリガーを、CPU温度ではなくマザーボード温度に設定できる

 CPU以外の温度をトリガーにできるのは、いまのところASRockとASUSしかないので、効率のよい冷却を考えるなら、この2社から選ぶといいだろう。ただASRockマザーはグラフィカルな設定画面ではないのが少々残念でならない。

→次のページへ続く (オーバークロック向けのZ97M OC Formula

前へ 1 2 3 次へ

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
01月
02月
04月
05月
07月
08月
09月
10月
11月
2018年
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
10月
11月
12月
2017年
01月
02月
03月
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2016年
01月
02月
04月
05月
06月
07月
08月
11月
12月
2015年
02月
04月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2014年
02月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2013年
01月
05月
06月
07月
10月
11月
12月
2012年
01月
03月
04月
05月
06月
08月
09月
10月
11月
2011年
01月
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2010年
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
2009年
04月
08月
10月
2008年
01月
02月
2007年
02月
03月
06月
07月
08月
11月
2006年
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
2005年
07月
10月
2004年
08月
09月