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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第8回

前人未踏の域へ! メロン号、丹後半島ラリーで完勝

2012年09月12日 18時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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一瞬トラブルがよぎるメロン号だが
タイム的にはまったく問題なし!

 今回もSS1からベストタイムを奪ったメロン号。続く観戦ステージのSS2でも、GAZOO 86(筒井克彦選手/永山総一郎選手組)と同秒ながらベストを獲っている。いつもなら序盤で大量のマージンを築いて戦いを一気に有利とする展開だけど、今回の2番手とのタイム差を見てみると、様子を見ながらアタックしているのか控えめな数字だ。

 ところが、観戦ステージでメロン号の走りを見物していたファンからの反応が悪い。「メロン号がとてつもなく遅い」「なんか異音してたけどトラブルかな?」など、ツイッターその他はメロン号の異常発生を伝えるメッセージばかりだ。タイム速報の上ではベストタイムを獲っているのに、観客からの視点では見るからに遅かったとはどういうことなんだろう?

 疑問符をいっぱい浮かべながら眞貝選手からの連絡を待ち、とりあえず状況を聞いたところ「エンジンが一時まったく吹けなくなった」とのこと。特にひどかったのがSS2で、スタートから300mほどの地点までまったく吹け上がらず、ちょうどギャラリーポイントの目の前あたりでは40km/hで走るのがせいぜいだったとか。さいわいギャラリーポイントを通過したあたりで息を吹き返したそうだけど、ちょっとばかりエンジンの状態が心配になってしまう。

 それにしても、よくその状態で同秒ながらベストタイムを獲れたものだ。マシンはさておいて、今日のクルーの調子は絶好調らしい!

眞貝選手「今回のラリーは基本的に、丹後縦貫林道という大規模な林道を部分ごとに区切ったステージになっていましたが、工事や舗装化の時期が場所ごとに異なるようで、同じように見えても路面コンディションの変化が激しいラリーでした。
 セクション1は、ノートの不具合洗い出しとともにクルマのセットアップを探ったセクションでした。特にSS3の路面は特徴的だったのでリピートステージに向けて、敢えて変化を加えた操作をして、その結果どういう挙動が帰ってくるかを見ています。
 ちなみに、今回は普段メインで使用しているインカムのアンプの調子が悪く、大事を取ってサブのアンプでラリーを進めました。サブのアンプは音声出力が備わっていないため以降のSSは車両の音声のみになります。たまにはいいかな? なんて思いますがいかがでしょうか」

 セクション1の3本のSSを終了して、メロン号が本日最初のサービスAに帰ってきた。その後も断続的にエンジンが息継ぎをしていたらしいけど、その原因は何だろう? 各部のチェックとタイヤ交換が行なわれている横で、エンジンのトラブルシューティングにあたる。事前の想定よりもオイルの消費量が激しい。メカニカルトラブルか? それともセッティング上の誤差か? もしメカニカルトラブルなら、この場では対処のしようがない……。

サービスAに帰ってきたメロン号。すぐさまジャッキアップして各部チェック。念のため予備のエンジンオイルを車内に縛り付けておく

 わずか20分間のサービスタイムをフルに使いきり、ひとまずエンジンに対策を施されたメロン号は、この日の昼のセクションへと旅立っていった。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/太鼓山線II
(3.92km)
2:52.5(TOP)15:56.1(TOP)
SS5/角突山線II
(9.12km)
7:02.0(TOP)22:58.1(TOP)
SS6/奥寄線II
(3.94km)
3:00.3(TOP)25:58.4(TOP)

 昼のセクションでもメロン号の勢いは衰えず、3本のSSすべてでベストタイムを奪取した。2番手を走るGAZOO 86との差は23.8秒と、まずは安心できるタイム差だ。サービスでの対策が効いたのか、とりあえずこの昼のセクションではエンジンも好調らしい。このままトップでステージを消化して、まずは1日目のデイポイント3点を確保したい!

 メロン号がトップを快走する一方で、その後方では2番手をめぐる戦いが激しさを増していた。SS6終了時点で、GAZOO 86のタイムは26:22.2。その3.7秒後方から久與レビン(山口清司選手/島津雅彦選手組)が追撃、さらに久與レビンから2秒の差を置いてCUSCO 86(三好秀昌選手/保井隆宏選手組)が虎視眈々と上位を狙っている。わずか6秒のあいだに3台が入っていて、ワンミスで順位がひっくり返るような大激戦となっている。

ラリーカーにはもちろんエアコンがついていないので、こんな炎天下になると車内は蒸し風呂状態。眞貝選手も上半身裸になって、ホースのシャワーを浴びていた

一方、その頃。前日にセレモニアルスタートが行われた京丹後市役所前広場では、痛車イベント「ほくたん痛車祭」が開催。今回ラリーには参戦していないCJRTはこちらでマシンを展示していて、くす子ちゃんズの前田まみちゃんが会場を盛り上げていた

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS7/太鼓山線III
(3.92km)
2:52.6(TOP)28:51.0(TOP)
SS8/角突山線III
(9.12km)
7:01.1(TOP)35:52.1(TOP)

眞貝選手「今回の勝負どころ「角突山線」ステージ。10km弱のステージを5回もリピートする、大事なSSの3回目です。一巡目のイメージにしたがってクルマのセットアップを変更し、タイムを出す運転に切り替えています。
 もちろんこの後リピート回数を重ねるにつれてタイムは上がっていくのですが、このSS8はラリーの展開のなかで「セットアップ正解!コンビネーション完璧!運転OK!」の3拍子を揃えることができた久々のアタックでした。このSSでもベストタイムで上がることができて、精神的には一気に楽になりましたね」

この角突山ステージの序盤に、今回のギャラリーポイントが置かれている。S字コーナーを上から見下ろす、見晴らしの良い観戦ポイントだ

今回も各チームのRQがきて、チケットナンバーを使ったくじ引きなどのイベントが行なわれていたみたい。メロンブックス出張店もこちらのギャラリーポイントで出店していた

 夕方のセクションで走る2本のステージもベストタイムで締めくくったメロン号。こうしてメロン号はデイ1すべてのステージを最速タイムで走りきり、デイポイント3点をゲット!

 本日最終のサービスC。とりあえずエンジントラブルの兆候は無く、その他チェックも問題なし。前戦では代理コドライバーの漆戸あゆみ選手とのコンビネーションに不安があったけど、走行テストをお盆休み返上で行なった結果、今回はうまく眞貝選手をコントロールできているようだ。クラス優勝に向けて、チームの士気は上々だ。

このサービスCは60分間と他のサービスタイムより長い。この時間を利用して、明日のために各部をしっかりチェックしておく

1日目を圧倒的スピードで走りぬけた眞貝選手のもとには、タイヤメーカーがフィーリングチェックに訪れる。使用したタイヤを前に、眞貝選手は身振りも交えながらできる限り正確に感想を述べていく

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