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週刊 PC&周辺機器レビュー 第129回

店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10

2012年02月10日 18時17分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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クアッドコアの快適性能
より高性能を目指すならマイレッツ倶楽部のSSDモデルを

 冒頭で記したように、CF-B10Wの特徴のひとつが搭載CPUのクアッドコア化だ。搭載CPUはCore i7-2675QM(2.20GHz)。2011年秋冬モデルでは、マイレッツ倶楽部モデルにのみ採用されていたCPUだ。11年秋冬の店頭販売品のCPUはCore i5-2540M(2.30GHz)だったので、動作周波数はちょっと下がったが、コアが2倍になった。クアッドコアCPUの搭載にあっての設計変更については、こちらの記事に詳しいが、簡単にまとめるとTDP増加分の放熱を賄うために放熱機構を強化したほか、電源周りの変更でマザーボードも変更されている。

 CPU以外の性能はそれほど秀でた点はない。Windowsエクスペリエンスインデックスでもそれは明らかで、最低値は例によって「グラフィックス」の「4.1」。ストレージもHDDなので5点台で打ち止めである。メモリーは最大8GBまで搭載できるが、店頭販売モデルであるCF-B10Wは、4GBしか搭載していない。メモリー価格の下落を考えると、ここは8GBを標準搭載してほしかったところだ。

CF-B10WのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

 CPU性能の強化は、マルチコアが生きるアプリケーションで如実に表われる。今回はペガシスのビデオ編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 5」によるエンコードテストを実施してみた。AVCHD(1080p)の動画ファイル(約450MB)を、同解像度のWMV形式に変換する時間を計測(フィルタリング未使用、エンコード設定はデフォルト値)した。比較対象として、同じSandy Bridge世代のCore i7-2620M(2コア 2.70GHz、メモリー8GB)搭載のノートパソコンと、前世代のCore i7-940(4コア 2.93GHz)の結果と比較してみた。

TMPGEnc Video Mastering Works 5によるエンコードテスト(単位は分:秒)。短い方が高速

 結果はさすがに高速で、デュアルコアのCore i7を大きく上回り、動作周波数ではかなり差があるはずのCore i7-940に迫る勢いだ。一般的な作業はもちろんのこと、動画編集のようなヘビーな作業でも快適にこなせるだろう。

 総合ベンチマークテストの「PCMark Vantage」(32bitテストで計測)と「PCMark 7」でも、性能を計測してみた(比較対象はCore i7-940)。PCMarkはストレージ性能が非常に大きな比重を占めるので、SSD搭載機と比べるとあまり総合スコアは高くないが、かなり高性能なデスクトップマシンに匹敵する性能を実現しているのがわかる。

PCMark Vantageのスコア比較

PCMark 7のスコア比較

 CPU内蔵GPUのグラフィックス性能を除けば、CF-B10Wは用途を選ばずメインマシンとして活躍できる性能を備えていると言える。もし「メモリーはもっと欲しい」とか「ストレージはSSDでなきゃ」など、より高性能を求めるのであれば、マイレッツ倶楽部モデルを選択するのがいい。メモリーは最大16GBまで搭載可能なほか、SSD 256GBも選択可能だ。とはいえHDD搭載のCF-B10Wでも、OS起動を高速化する「クイックブートマネージャー」を搭載しているので、設定次第では起動時間を短縮できる。実際にテスト中はアプリケーションのインストールやらで再起動を繰り返すものだが、HDDでも思った以上に快適だったことを付け加えておきたい。

小技が光る付属アプリケーション

 性能を大きく左右したりするものではないが、レッツノートにはさまざまなユーティリティーソフトが導入されていて、使い勝手を改善している。CF-B10Wらしいユーティリティーとしては、「画面分割ユーティリティー」というソフトを挙げたい。これは広いフルHD解像度の画面を複数に分割して(最大4分割)、それぞれの領域内でアプリケーションを最大化したり、移動範囲を固定して使えるという機能だ。似たようなアプリケーションはオンラインソフトでもあるが、分割のパターンも豊富で使いやすい。

「画面分割ユーティリティー」は、広いフルHD画面を分割して、それぞれの領域でアプリケーションを使える。意外に便利

 使い勝手を改善するユーティリティーは多いが、ビジネスユースに不要なアプリケーションは搭載しないなど、付属ソフト構成もレッツノートらしい(Office搭載モデルはあり)。CF-B10Wは「どこでも同じ仕事ができるメインマシン」としての使いやすさを追求した、優れたビジネスモバイルノートと言えよう。

CF-B10W の主な仕様
CPU Core i7-2675QM(2.20GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 15.6型 1920×1080ドット
ストレージ HDD 640GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n
インターフェース USB 3.0×1 USB 2.0×2、SDメモリーカードスロット(SDHC/SDXC対応)、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅370.8×奥行き229×高さ31.4~43.2mm
質量 約1.895kg
バッテリー駆動時間 最大6時間
OS Windows 7 Professional SP1 64bit版
予想実売価格 17万5000円前後
発売日 2月24日

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