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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第84回

音楽を危機から救うか、「タワレコのPOP」的なWebサービス

2012年01月14日 12時00分更新

文● 四本淑三

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若手と旧来型のメジャーレコード組との間

―― 今「ネットと音楽」と言うと、20代を中心に、今までのフォーマットに拠らない方法で音楽にアプローチする人が増えているように思います。スプツニ子さんとか、Open Reel Ensembleとか、「リズムシ」「ラップムシ」の成瀬つばさくんとか。

早川 Open Reelは大好きで、リーダーの和田さんを自分のイベントに誘おうと多摩美まで行ったことがあります。それはスケジュールの関係があって実現しなかったんですけど。あと、スプツニ子さんが、ドリーミュージックから出した「カラスボット☆ジェニー」という曲があるじゃないですか。あれ、実は僕も作曲に関わっているんです。彼らはいずれも表現が音楽の枠にとどまっていなくて、僕なんかのような30代の男としては焦るわけですね。

Open Reel Ensembleラップムシ

―― オレもう古いのかなあ、みたいな?

早川 そう、ちょっと古い側の人間になってきたかもしれないなあと。

―― それは音楽を取り巻く環境が、彼らにとって魅力のないものになっている証しでしょうね。早川さんの場合は、そういう音楽文化に対する危機感みたいなものが、Music Surfにつながっているように見えるんですが。

早川 それはその通りだと思います。でも、その前に僕の立ち位置について説明させてください。僕はメジャーレコード会社に育ててもらったというか、東京エスムジカやSweet Vacationは、メジャーでちゃんと宣伝してもらって、いい環境で作らせてもらったという立場なんです。何もないところから自分たちで上がってきた今の若い子たちとは違う。若手と旧来型のメジャーレコード組との間で、考え方が相容れない状態になっているんですが、僕はその間の人間だと思っている。そういう意識のひとつの回答がMusic Surfなんだと思います。

音楽家/音楽プロデューサー・早川大地さん

―― 大人ですねえ。

早川 そういう立場の人間から言うと、アマチュアから出てくるものは面白いし正しい。でも、そうじゃない側面もあっていいと思うんです。それでMusic Surfにはレコメンにプロを入れているんですね。

―― あれはプロが書いてるんですか?

早川 そうですね。あくまでもユーザーオリエンテッドなサービスなんですけど、そうじゃないものも入れておくというスタンスで。僕がイメージしたのはタワーレコードの手書きのポップですね。僕は昔からあれを手がかりにして買っていたので。それでプロのレコメンと、気に入ってくれたユーザーによるPOPという2種類でやっているわけです。実は、僕のレコード会社の元スタッフが書いていたりするんです。彼の発掘してくるものは、僕にとっても結構面白い。

―― Music Surfはどれくらいのスタッフでやっているんですか?

早川 3人です。レコメン部分と、イギリスにいるデザイナーが1人。何が大事かというと、結局はキュレーションだと思うんですね。YouTubeとかニコニコ動画というのは、基本的にキュレーションを放棄する形になっていると思うんです。全部ユーザーに任せたほうがいいものができるという。でも、それだと猫動画や、かわいい赤ちゃんと音楽は戦わなくちゃいけないわけで、するとプロのキュレーションの価値も出てくるんじゃないかと思ったんです。

―― いいとか悪いとかだけじゃない、こういうつながりで聴くともっと楽しいよみたいな事ですね。

早川 僕はボカロとかも大好きだし、自分でもやっていたりするんだけど、それだけではないという事ですね。

―― そういえばリコメンドサービスに「Vocaloid」というカテゴリーがあるのは珍しいですよね。早川さんのボカロ曲もどこかに上がっているんですか?

早川 上がっているんですけど人気が無いので、内緒にしているっていう。ははは。

Vocaloidカテゴリーも。「wowaka」「DECO*27」「ラマーズP」などボカロ好きにはおなじみの名前が並ぶ

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