このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第24回

スマホにかける、MSとKDDIの思惑

Mangoはリンゴより本当に美味なのか?

2011年08月11日 09時00分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 KDDIの田中社長は、「Windows Phoneは、IS02などで搭載してきたWindwos Mobileとはまったく異なるOSである。パソコン用のWindows OSを、モバイルでも利用できるという発想で開発されたのがWindows Mobileであるのに対して、Windows Phoneはスマートフォンとしての使い勝手を最重視し、直感的な使いやすいユーザーインターフェースを実現している。私も1カ月前から使っているが、最初の一日半程度はとっつきにくい印象を与えるものだったが、だんだん気持ちよくなってくる。クラウドとの連携も気持ちよく使える。携帯電話のプロの立場から、少し使い込んでみることをお勧めする」などと評価する。

Windows Phone 6.5からの進化ポイント

 一方で、樋口社長は、「Windows Phone 7.5の特徴は、Windows Phone 7に比べて500以上の機能を追加し、従来は5言語対応だったものを21言語に広げた。また、18カ国だったマーケットプレイスは、35の国と地域に広がった。マイクロソフトの資産を総動員したものであり、Internet Explorer 9やOfficeといったアプリケーションとの連携のほか、Windows LiveやMSNなどの各種サービス、そしてマイクロソフトが持つアプリケーション開発者やメーカー、通信事業者とのエコシステムを生かすことができる。これは他社にはないもの」と語る。

 マイクロソフトのリソースを活用した展開が推進されることになる。

 マイクロソフトは、スマートフォン市場で出遅れたのは明らかだ。

 ここ数年、エンタープライズ領域にフォーカスしていた間に、アップル、グーグルといった競合企業が、コンシューマ市場で勢力を強め、マイクロソフトの存在感を薄めていた。

 マイクロソフトがコンシューマ市場での復権を図るには、スマートフォン市場における事業拡大が「必要条件」となる。

 この市場で、いかに存在感を発揮することができるのか。Windows Phone 7.5によって、いよいよ遅れてきた巨人の挑戦が始まることになる。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ