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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第24回

スマホにかける、MSとKDDIの思惑

Mangoはリンゴより本当に美味なのか?

2011年08月11日 09時00分更新

文● 大河原克行

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世界規模でコンシューマ事業にテコ入れするマイクロソフト

 マイクロソフトの新年度は7月から始まる。社内では2012年度と呼ぶ「2011年7月からの新年度」において、マイクロソフトが重点課題として、全世界で取り組んでいるのがコンシューマ事業である。

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 それを裏づけるように、2011年7月からコンシューマ事業の組織が大規模に再編されている。Windowsパソコン、Windows Phone、Xboxといったコンシューマ製品に関する営業・マーケティングをひとつの組織で対応するコンシューマー&チャネルグループを新設。米本社では、次期経営幹部への昇格が噂されるクリス・カポセラ氏をリーダーに、コンシューマ事業のテコ入れを図る。

 これにあわせて日本マイクロソフトでも、従来のコンシューマー&オンライン事業部を解消し、コンシューマー&パートナーグループを新設した。

 同グループを統括する香山春明執行役常務は、「日本ではチャネルという言葉が、必ずしも対等なパートナーという印象を与えないため、組織名にはあえてパートナーという名称を使用した」と話す。日本独自の組織名とすることで、コンシューマ分野において、パートナーとの緊密な関係を維持しながら、この事業を加速する姿勢だ。

 香山春明執行役常務は、長年に渡ってOEM事業を担当していたこともあり、PCメーカー各社とは太いパイプを持つ。さらに、この6月末までは、米国本社でOEM事業を担当しており、米国本社の事情にも精通している人物だ。

 社内、社外に「顔が利く」人物をこの部門のトップに据えることからも、日本マイクロソフトが、コンシューマ事業の成長を重点課題としていることが明らかだ。そして、香山執行役員常務のもとで、各部門を担当する役員も、10年以上に渡って日本マイクロソフトに勤務した役員を登用。盤石な体制で臨むことになる。

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