肝心のグラフィックス性能はどうだろう? まずは定番のグラフィックスベンチマークテスト「3DMark Vantage」(Performance)で計測してみた。
3DMark | Graphics | CPU |
---|---|---|
4425 | 3541 | 17630 |
この数値を、Sandy Bridgeの内蔵GPUの性能を計測したこちらの記事と比較してみると、Core i7-2600K(3.40GHz)の2倍以上となる。「独立GPUで2倍」というのは大したことがないようにも見えるが、ではゲームでの性能はどうだろう。
「バイオハザード5 ベンチマーク」のスコアは、内蔵GPUを使う「LIFEBOOK SH76/C」と比べると、雲泥の差があった。
3倍のフレームレートの差もすごいが、M11xではゲームシーンのテストAでも、DirectX 10モードで安定して40fps以上で動作した。さすがにデスクトップでハイエンドGPUを搭載する構成には及ばないが、ゲーミングノートをうたうだけのことはある。
驚きのバッテリー駆動時間
ゲームをしながらでも2時間以上動く!
モバイルノートであるからには、バッテリー駆動時間も重要だ。試用機のM11xでは、Windows 7の電源プランが標準で「高パフォーマンス」に設定されていた。そこで、高パフォーマンスと「バランス」のそれぞれで計測したほか、高パフォーマンス設定でバイオハザード5 ベンチマークのテストAを動作させ続けることで、ゲームの連続プレイに相当するテストも実施してみた。
テストプログラムは定番の「BBench」を使用。内蔵無線LAN接続を使用し、バイオハザード5のテスト以外ではキーストローク出力とウェブブラウジングも行なっている。
結果はなかなか驚くべきものだった。正直に言えばバッテリー駆動時間についてはあまり期待していなかったのだが、高パフォーマンス状態でのウェブブラウジングでも6時間半程度、バランス状態では7時間半も動作したのだ。
ゲーム動作時はCPU、GPUともに酷使するため、それほどの長時間動作は望めない。だがそれでも2時間半近く動作するなど、バッテリー駆動時間は優秀と言っていい。2kgの質量は、伊達に重いわけではないようだ。
★
モバイルノートでゲームというのは「イロモノ」っぽい用途に思われるが、M11xは「どこでも快適にゲームがしたい」というニーズに確実に応えられる製品となっている。もしゲームをしなくても、高性能モバイルノートとして価格性能比に優れた製品であるのは間違いない。
試用機構成にほぼ近い「ベーシックパッケージ」の価格は9万9979円(本稿執筆時点)。CPUをCore i7に変更しても10万6279円と、高性能モバイルノートとしては安価な部類に属する。2kgのノートを頻繁に持ち歩くという人はあまりいないだろうが、持ち歩けるサイズでデザインもよく、しかも高性能で低価格というのは優秀だ。コンパクトなハイスペックノートとしてもお買い得な逸品である。
Alienware M11x(試用機構成)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i5-2537M(1.40GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | GeForce GT 540M、CPU内蔵 |
ディスプレー | 11.6型 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 320GB(製品にはなく選択不可) |
光学ドライブ | なし |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0 |
インターフェース | USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI出力、DisplayPort出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅285.7×奥行き233.3×高さ32.7mm |
質量 | 約2.0kg |
バッテリー駆動時間 | 非公開 |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit版 |
価格(ベーシックパッケージ) | 9万9979円から |
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