Mobile World Congress 2011 レポート 第4回
MeeGoは継続 タブレット端末向けの「Tablet UX」を披露
Nokiaに「失望」 Intel幹部がモバイルの取り組みを更新
2011年02月15日 19時00分更新
Intelは14日、「Mobile World Congress 2011」(MWC)でプレスカンファレンスを開催し、スマートフォン向けの最新プロセッサー「Medfield」のサンプル出荷を開始したことなど、モバイル分野での取り組みを報告した。先にNokiaがWindows Phoneを今後の主要OSとする新戦略を発表したが、これについては「失望した」とコメントした。
32nmプロセスで製造された新Atom「Medfield」
スマートフォンへの搭載が期待されているが……
Medfieldは32nmプロセスによって製造するモバイルデバイス向けのAtomプロセッサーである。この日、サンプル出荷を開始したと述べ、搭載されたスマートフォン(Android搭載)のプロトタイプを見せた。だが、メーカー名や発売時期などの詳細は明らかにしなかった。
Intelで上級副社長兼ウルトラモビリティ事業部長を務めるAnand Chandrasekher氏はMedfieldの消費電力効率性について触れ、「アクティブ時で最も効率性の高いアーキテクチャを持つ」と述べた。
一方、最も注目されたのは、Intelがプッシュする「MeeGo」の今後だ。MeeGoはちょうど1年前のMWCで、Nokiaと共同で発表したオープンソースのモバイルプラットフォーム開発プロジェクトである。Intel「Moblin」とNokia「Maemo」をマージし、スマートフォン、ネットブックなどさまざまなモバイル端末セグメントに対応することを目指している。
オープンソースのプロジェクトである
MeeGoの開発はこれからも進む
これまでNokiaは自社スマートフォンでMeeGoを採用するとしていたが、2月11日に新戦略を発表、マイクロソフトのWindows Phoneを主要スマートフォンプラットフォームとして利用することを明らかにした。
発表から1年でNokiaが戦略を変更したことについて、まさに昨年Nokia幹部とともにステージ上でMeeGoを発表したRenee James氏(Intel 上級副社長兼ソフトウェア&サービス事業部長)は、「失望した」と語る。だが、MeeGoは非営利団体のLinux Foundationでホスティングされているプロジェクトであり、Intel側の支持や計画に変更はないとした。
なお、MeeGoはIA/ARMの両アーキテクチャのサポートを約束しており、その計画もこれまでどおりという。また、Intelは自社チップで、Android/Windows/LinuxなどさまざまなOSをサポートしていくことも強調した。Chrome OSも登場すれば対応するという。
発表会では、フランスの携帯事業者であるOrangeのデバイス端末副社長、Patrick Remy氏も登壇して、「業界にはオープンなエコシステムが必要だ」と述べ、これまでと同様にMeeGoを支持することを改めて表明した。
Intelはまた、MeeGoの最新のUX(ユーザーエクスペリエンス)となる「Tablet User Experience」を開発者向けにリリースしたことも発表した。MeeGoは現在「Handset」「Netbook」など端末セグメントに特化したUXを持つが、Tablet UXはこれらに加わるものとなる。
MeeGo搭載のタブレットも今年中には登場する?
IntelでオープンソースやMeeGoの取り組みを統括する副社長のDoug Fisher氏は「通常はアプリケーションにフォーカスしているが、MeeGoはユーザーにフォーカスしている」と述べ、ユーザーの行動を中心に設計している点がMeeGoの差別化であると強調した。
Tablet UXのデモでは、「My Tablet」や「Music」、メール、Twitter、SNSなどのソーシャルフィードが表示された「Friends」などのパネルで構成される画面を披露した。これらのパネルはカテゴリ別に独立しており、Tablet UXはマルチタスクにも対応する。次のアクションがスムーズになるようオプションを提供するだけでなく、ユーザーの利用傾向から学習し更新する。
たとえばMy Tabletでは、ユーザーがよく利用するアプリケーションが上位に表示され、FriendsではTwitterでやりとりする友達、メール中心の友達などを学習してアクションをスムーズにするという。Tablet UXを利用したタブレット製品は、2011年内に登場する予定とのことだ。
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