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Mobile World Congress 2011 レポート ― 第7回

携帯電話業界でのインテルの“存在感”

2011年02月21日 19時00分更新

文● 塩田紳二

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基調講演に登場したオッテリーニ氏。表情は暗いわけではないが、講演でははつらつとした感じがなかった

 PC用プロセッサーの世界では抜群の存在感を示すインテルも、今年の「Mobile Wireless Congress 2011」(MWC)ではその存在感は薄かった。

主要エグゼクティブが登場しても
存在感には欠けるインテル

 インテルはMWCの会場内に3つのブースを持ち、基調講演に同社CEOのポール・オッテリーニ氏が登場。さらに携帯電話用のプロセッサーを担当するアナンド・チャンドラシーカ氏もパネルディスカッションに参加するなど、さまざまな活動を行なっていた。

 しかし現時点では、インテルのプロセッサーは、携帯電話にはほとんど採用されていない。このためインテル自身の活動は派手でも、携帯電話のプロセッサメーカーとしてはまだ認知されていないという状態だ。

インテルはハードメーカーの集まるHall 8と、ソフトウェア中心のHall 7(こちらにはMeeGoブース)、そしてHall 1(写真)に展示ブースを持った。さまざまに活動しているインテルだが、具体的な製品がない状態のため、存在感が希薄だった

 2010年にインテル社は、Nokiaと組んで記者発表会を行なった。会場はちょっとしたホール並の広さがあったにもかかわらず、多くの報道陣が詰めかけ、会場に入ることも困難だった。発表内容としては、Nokiaの「Maemo」と、インテル「Moblin」を統合して、「MeeGo」というプラットフォームを共同で開発すること。そして、Nokiaはインテルのプロセッサーを使ってスマートフォンを開発することになっていた。

一年で離婚(?)してしまったインテルとNokia

 それから1年、MWC直前に流れたニュースは、Nokiaとマイクロソフトの提携である。インテルとNokiaの蜜月は、1年もしないで終わってしまった。なんだか、あっという間に結婚して別れてしまう芸能人の結婚のような感じすらある。

 状況の変化が、Nokiaとインテルの仲を裂いたのだろうか? どうも原因は、外部にではなく内部にあったように思える。単なる夫(Nokia)の浮気による離婚のようには見えない。かといって、Nokiaにも原因はないのかというとそうでもなさそうだ。

 1つの原因は、おそらく携帯電話向けのAtomプロセッサーである「Moorestown」にあるように見える。もともとMoorestownは2009年中にリリース予定だったにもかかわらず、2010年半ばにリリースが遅れてしまった。事前にキャリアと計画を立て、販売計画に合わせて製造を行なう携帯電話市場では、製品の遅れはメーカーにとって大きな打撃になりやすく、キャリアからの信頼も失ってしまう。

リリースが遅れてしまった「Moorestown」

 PC市場などでは出荷遅延の案内はよく見かけるが、携帯電話でこんなことが起きると、多数の端末がぶつからないように配慮された事業者の販売計画全体に影響してしまう。にも関わらず、プロセッサーの導入計画が遅延したのでは、他の事業者も含め、インテル製品の採用に慎重なところが多数でてきてもおかしくない。

 ではそもそも、なぜMoorestownは遅延したのだろうか? Moorestownは、CPUコアはネットブックなどに使われたAtomプロセッサーのNシリーズと同じ「Bonnell」である。PC向けの「Silverthorne」との違いは、周辺回路を統合し、メモリコントローラーやGPUコアをCPUパッケージ内に取り込んだ部分だけだ。原因は推測するしかないが、携帯電話向けで遅延させねばならないほど重大な問題があったとすると、消費電力が想定していたほど削減できなかったという理由が思いつく。

 理由はどうあれ半年以上の遅延が生じたことで、インテルの携帯電話市場への参入計画に大きな狂いが生じたことは間違いなさそうだ。

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