さっそくReader Storeを体験
なんとBL小説もたくさんあるぞ!?
Readerで電子書籍を買ったり読んだりするには、パソコンとのUSB接続が必須だ。パソコンとの有線接続が必要な点と、データ転送ソフト「eBook Transfer for Reader」がWindowsにしか対応していない点については、批判も多い。記者の場合は生活空間に必ずWindowsパソコンがあるし、端末だけで電子書籍を買えても、バックアップのためにはパソコンとの接続が必要になるだろうから、欠点とは感じていない。
「USB面倒くさい。せめてWiFiくらいあればな」とは思わなくもないが、それでこの軽さと薄さ、長時間駆動といった利点が失われるくらいなら、なくてもいい。「電子書籍を手軽に読む」これに特化したのがReader Pocket Editionの良さなのだし、先行して販売されている海外でもReaderが売れているということは、それが欠点として致命的なものではないという証明だろう。ちなみに転送ソフトについては、海外ではすでにMac OS版も登場しているので、いずれ日本でも対応すると思われる。
Reader Storeも早速覗いてみた。「スタート時点で2万冊前後」とあって、書籍の数はなかなかのものだ。例えば「文学」ジャンルには6969件の書籍が並んでいる。
米E-Ink社の電子ペーパーを使うという性質上、Readerに向いているのはオーソドックスな文字主体の本の電子版だ。そのため販売されている電子書籍も、文学やビジネス書が多い。「コンピューター/デジタル機器」というジャンルもあるが、こちらはさすがにまだ数は少ない。
各ジャンルの書籍を眺めていて驚いたのは、「その他」ジャンルだ。何かと思ってクリックすると、「このコーナーでは、アダルト系書籍および18歳未満の方には不適切な表現内容が含まれる書籍を取り扱っています」との警告と、「はい/いいえ」の入室確認が出てきたのだ!
「エッチな写真集でも売っているのか!?」と一瞬色めき立ったが、無論そんなわけはなく(モノクロだしな)、中身は官能小説の類が並ぶジャンルだったのだが、さらに驚いたのはそのラインナップ。プランタン出版やオークラ出版のBL小説がずらりと出てきたのだ! やるじゃねえかReader Store!(笑)。
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まだまだ始まったばかりということもあり、Reader Storeのラインナップは「すでに充実している」とは言い難い。例えば筆者の好きなアガサ・クリスティや、横溝正史の金田一耕助物はラインナップにない(非常に残念!)。ちなみにハルヒもシャナもない。
ラインナップの拡充については、出版社側の準備も必要だし、Reader側が今後対応フォーマットを拡充するのを待っているという面もあるだろう。例えば、日本の電子書籍でよく利用されている(株)ボイジャーの「ドットブック」形式は、今のReaderは対応していない。しかし、既報のとおりドットブックやePubといったすでに普及しているフォーマットについては、今後の対応を前向きに検討していることをソニー側が表明している。
そもそも、ディスクメディアの物理構造や高い処理能力を要する映像のフォーマットに制約される次世代光ディスク戦争とは異なり、初期には対応していないフォーマットの電子書籍に、後から電子書籍端末を対応させるのは、基本的に難しいことではない。著者や出版社としても販路が増えるメリットがあるので、光ディスク戦争の再来を心配する必要はあまりないだろう。
なお、記者はシャープの電子書籍端末「GALAPAGOS」も注文しているのだが、残念ながらまだ手元に届いていない。同じようなサイズの電子書籍端末2種類にはどのような違いがあるのか? 本ロードテストではその実態をレポートしていくのでご期待いただきたい。
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