ソニーが11月下旬に発売した、電子書籍リーダー「Sony Reader」こと「PRS-G1」(オープンプライス、直販価格は2万5800円)。すでに購入した方もいるだろう。日本では2010年末に発売されたモデルから2世代目に当たる製品で、待望されていた無線通信機能を内蔵した機種である。
初代モデル(PRS-350)を1年使った記者が、新製品の特徴や使い勝手を検証してみた。
サイズは6型のみ
マンガを読むのに適したサイズに
Sony Readerは電子書籍閲覧に特化した端末であり、ディスプレーにはモノクロの電子ペーパーを使っている。この特徴は新製品でも変わっていない。2010年に登場した初代モデルは、5型と6型の2種類のサイズバリエーションがあったが、2011年モデルは6型2モデルに統一されている。
記者は上着やコートのポケットにも気軽に入る5型のサイズが気に入っていたので、6型のみというのは正直残念に思う。しかし1インチ(約2.54cm)ディスプレーサイズが違うだけでも、マンガを表示したときの見栄えはだいぶ違う。書籍を読むだけなら5型でもいいが、マンガも積極的に読みたいというなら6型の方が適しているだろう。
Reader向けの電子書籍販売サービス「Reader Store」では、講談社の人気マンガなどが多数販売されている。ここで販売されているマンガはいずれも、Readerの表示特性に合わせたチューニングを施してデータ化されているので、モノクロの電子ペーパーでも意外に読みやすい(関連記事)。ただし、モノクロ16階調表示で600×800ドットというディスプレーの制約上、緻密に書き込まれた絵や元がカラーページだった絵、特に暗めの濃淡で描き分けた絵などは厳しい面もある。
文字に関してはさすが電子ペーパーで、従来と変わらずとても見やすい。文庫本を丸一冊一気に読んでも、目が疲れるということはない。バックライトがないので暗いところでは読めないが、それは紙の本も同じことだ。
ディスプレー表面は外光反射がほぼないので、照明の下でも読みやすい。ただちょっと残念なのは、ディスプレーのベゼル部分が光沢のあるプラスチック素材である点だ。初代モデルと同様に、ベゼルもつや消しの素材を使ってほしかった。
電子ペーパーの特性である表示切り替えの遅さについては、PRS-G1でも変化はない。自炊した雑誌をさかんに拡大縮小して読むなんて場合には、表示の遅さが気になって使いにくいだろう。だが、販売されている電子書籍を1ページずつ読む分には、問題を感じることはない。
次はいよいよ目玉の通信機能について評価してみよう。