ライブビュー撮影はα55が便利
使用していて少し気になったのは、それぞれの電子ダイヤルと露出補正「+/-」ボタンの位置関係である。マニュアル露出時の絞りの設定やオート露出時では露出補正をするときにα55では少しやりづらく感じた。
筆者の手の大きさも関係してくるのだろうが、α55では親指でボタンを押しながら人差し指で電子ダイヤルを回すのが非常に窮屈に感じてしまう。個人差はあるかもしれないが、男性が使用する場合には似たような感覚を覚えるだろう。
背面モニターを使用してのライブビュー撮影時、D3100は撮像素子の温度上昇を嫌うためか30秒のタイマーが働いて、時間が経つとライブビューが終了してしまう。
もともとライブビュー撮影がメインのカメラではないのはわかるが、30秒というのは結構短く感じる。一方で、EVFを搭載したα55では当然そのようなことはなく、パワーセーブ機能が働くまで表示される。
しかも、その時間の設定は10秒から30分まで設定できるようになっており、30分に設定していつ消えるのかと見守っていたが、5分経過しても背面液晶モニターが消えないので逆にこちらが気を使って消してしまったほどである。
そもそも設計思想からして違う両者なので仕方のないことだが、D3100は30秒でライブビュー機能が終了してしまうため、撮影しようとするたびにスイッチを入れ直さなければならない上に、少し長めにフレーミングしていると途中で画面が消えてしまう。このあたりの使い勝手はもう少し改善してほしいところである。
αならどんなレンズでも手ブレ補正が使える
ソニーαはボディ内手ブレ補正を採用するのに対して、ニコンはレンズ内手ブレ補正を採用する。どちらが優秀とは判断が付けられないが、単純に“αの方がどんなレンズを使用しても手ブレ補正の恩恵が得られる”という違いがある。
ニコンのほうも、普及価格帯のズームレンズにまで手ブレ補正機能は付くようにはなってきたが、単焦点レンズなどではないものの方が多い。
さらに、D3100ではモーターを搭載したレンズ以外はマニュアルフォーカスでの使用になるので、手持ちのレンズをすべて活かすには面倒な操作が増えるのも間違いない。このあたりは、手持ちのレンズ資産があるかないか、ボディ内とレンズ内ではどちらの手ブレ補正が好みか、などで選択するほかないだろう。
D3100の店頭価格は、α55より1万円程度に安くなっている。エントリークラスのデジタル一眼レフとして他社の製品と比較すると少し高めかもしれない。しかし、絵作りなどでは少し上級のα55に勝るとも劣らないものを持っており、D3100を選んでも決して後悔することはないだろう。少なくとも筆者は今、まったく後悔していない。
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