ネットで脚光を浴びるほど、オフラインが無視できなくなる
―― では、今回のビデオチャット取材のきっかけになった地域差についてお聞きします。Yamadaさんとしてはどんなところで地域差を感じますか?
Yamada 古田さんの取材もそうですが、オフラインのイベントがあったときに痛感します。2008年にFPNのアルファブロガーアワード記事大賞に選んでいただいたのですが、その表彰イベントの「アルファブロガー・アワード2008」に参加できなかったのは悲しかったですね。
どうしても会場は東京になりますから、交通費や時間を考えると参加できないんですよ。でも、本当に参加したかったですね。
あと、有名サイトの管理人さんに誘われても、地域的に実際にお会いできないのもつらいです。北海道在住の管理人さんたちとお会いしたことは何度かあって、それはありがたいし大切にしたいのですが、東京在住の超有名どころの方にも色々聞きたいことがあるわけです。そうしたことが気軽にできないのは、やっぱり悲しいですね。
私は職業ブロガーではないので、本職を優先して住む地域も時間も決めています。そういう人はたくさんいると思いますが、住処が北海道だと、「じゃあ、今度ご飯でも?」というチャンスが本当に少なくなるんですよ。
―― トップクラスになるほど、ネットはオンラインだけのものじゃなくなるという側面が見えますね。逆に、普通のユーザーなら、あまり関係ないともいえますか?
Yamada 情報収集やブログの公開だけなら、まったく問題ないと思います。ただ、将来ネットを使ってどうしたいと考えたときの道筋のいくつかの難易度が、東京や大阪のユーザーに比べて跳ね上がってしまう。そこはなかなか解消できない部分ではあると思います。
―― 今回みたいにビデオチャットで会うっていうのはどうでしょう。
Yamada そうですね。私も今回初めてやってみたので、これから試していったら面白いかもしれません。まだちょっとリアルで会っている臨場感には及ばない印象はありますが、少なくとも顔見知りになれるというか、一度お会いしたという記憶が残ると思うんですよ。互いに慣れたら、さらに距離が縮まるかもしれないですね。
ただ、同郷のブロガーとのネットワークをより濃くしていくということもしていきたいと考えています。東京にブログイベントの場があるのを眺めるだけでなく、地方にも密な交流を図れる場が出来れば、ネット全体のプラスにもなると思うんですよね。
―― 私もビデオチャットに関して、臨場感というところで疑問があって敬遠していました。コミュニケーションは電話や文字チャットよりとれても、Yamadaさんがディスプレイの中にしかいないから、取材の緊張感を保てるか不安があったんです。あと、この依頼を迷惑がられる心配もあったので(笑)。
Yamada 今回声をかけていただいたのは驚いたとともに、嬉しかったです。というか僕のブログを見てもらっていたというのが意外でした。私が一番最初に「顔の見えるインターネット」を知ったのは、ネタフルさんの記事なんです。(ネタフル管理人の)コグレさんが「呼吸するようにブログを書く」と言っていて、「そんなわけないだろ!」とブログで反論したのが始まりでした(笑) それがまさかこんな風になるとは。
この連載の記事
-
最終回
トピックス
アンサイクロペディア“中の人”が語る、ユーモアの難しさ -
第99回
トピックス
マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」 -
第98回
トピックス
「もし森ガールが森へ入ったら」アサイさんの超地道な努力 -
第97回
トピックス
死刑は必要? 冷静に考えるためのWeb資料室「刑部」 -
第96回
トピックス
NTT研究者が“錯覚”サイトにかける純粋な感情 -
第95回
トピックス
ネットの「熱さ」、現代アートに――藤城嘘とカオス*ラウンジ -
第94回
トピックス
諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ! -
第93回
トピックス
探検コムの「広く浅く」が深すぎる! -
第92回
トピックス
金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い! -
第91回
トピックス
「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る -
第90回
トピックス
電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道 - この連載の一覧へ