プッシュ型映像サービスや約5000円相当のコンテンツを月額315円で利用できるサービスなど、データ通信をより多く使ってもらおうとする施策を次々と打ち出しているソフトバンク。キャリアの思惑にユーザーはどう反応するだろう。
メールによるプッシュ型で
映像サービスを見てもらう
ソフトバンクの孫 正義社長は2009年1月末の一般ユーザーを招待して行なった新製品発表会の場で、「2008年はインターネットマシン元年だった。2009年はコンテンツ元年だ」と発言した。
同じ場で発表され、メディアにも大きく取り上げられたのが「S-1バトル」である。毎日メールにより芸人のネタビデオが2本ずつ送られてきて、ムービーを見ておもしろかった方に投票。ユーザー投票の結果から1ヵ月ごとに勝者が1000万円を獲得していく企画だ。
実際にはメールには動画へのリンクのみが含まれているので、2本のムービーをダウンロードするのには少々時間と手間がかかるが、毎日毎日新しいビデオが届く感覚は、これまでのテレビやHDDに撮り貯めた番組を見るのとは少し違う新しい体験と言える。
新たな動画サービスはS-1だけではない。「選べるかんたん動画」というサービスを4月1日にスタートしている。
従来ソフトバンク向けに提供されてきたYahoo!動画は、好きな動画をユーザーが探して見るというスタイルが中心だが、これが「選べるかんたん動画」では大きく変わった。
プロ野球、芸能ニュース、海外サッカー、格闘技、韓流エンタメなどのジャンルを選ぶと、そのジャンルの新着動画の情報がメールによって送られてきて、好きなときにアクセスして視聴する。この説明からもわかるようにこれはS-1と同じ仕組みであり、実際S-1も「お笑い」のカテゴリーで組み込まれている。価格は2コースまで無料、3つ目からは月額525円がかかる。
ソフトバンクモバイル株式会社マーケティング本部 サービスマーケティング部 サービス企画課課長の溝渕浩二氏は、これら一連の動画コンテンツへの取り組みについて次のように説明する。
「これまではサイトに見に来て、動画を探してもらわなければなりませんでした。しかし、この方法では知っている人しか見ないという状況が生じます。せっかく端末の機能が向上しているので、動画をより多くの人に楽しんでもらう手段として、メールでプッシュして紹介する仕組みを取りました」(溝渕氏)
またコンテンツのチョイスについても、ユーザーへの調査から、テレビであまり放送されない部分や扱いが少ない部分にフォーカスを当てている。男性には特にスポーツの結果にニーズが高かったが、芸能ニュース、S-1(お笑い)、韓流エンタメは女性寄りのコンテンツとしてラインアップしたそうだ。
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