間欠利用に向いた電池は如何に!?
終止電圧を割り込んだ時間をグラフにまとめると次のようになる。簡単に言えば、間欠利用したときの寿命だ。
時間には、休息させている20分も含まれているので、実際に電流を流し続けた時間ではないことに注意してほしい。また、使用10分、休息20分をワンセットとしているので、寿命が段階的になっている点も注意が必要だ。
とはいえ、上位の三菱、東芝、マクセル、富士通D RANGEは、他の電池に比べて2セット分寿命が長いため、明らかに間欠利用したときの寿命が長いと言えるだろう。
使用と休息のワンセットで、各ターンの上限と下限の電圧をグラフにすると次のようになる。
休息後の上限の電圧は、軒並み緩やかなS字カーブを描いているが、10分使用後の下限の電圧に特徴が現れている。緩やかに下降を続けるタイプと、途中から下限の電圧が少し上がり、山ができる2タイプがある。後者は寿命が少なくなると電池内部の抵抗が非常に大きくなり、寿命が温存されるためか?
間欠利用のベスト・コストパフォーマンス賞は誰の手に!?
この実験では、筆者の中にあったエボルタ神話が崩壊してしまった。電池は高けりゃ高性能ってワケじゃないことを叩き付けられた結果だ。そこで1本あたりの単価を寿命で割ってみて、コストパフォーマンスに優れた電池を調べてみよう。車で言えばソーラーカーレースだ。
豆電球の間欠利用でベスト・コストパフォーマンス賞を獲得したのは、価格の割りには一番長持ちした三菱! 1時間あたり5.6円と高性能電池の半分の価格だ。実際には2本を使った3Vで実験したため、11.2円となる。
第2位は、アメリカ製のDURACELL ULTRA DIGITAL。大量だが安く売る(肉なんかは1kg単位ですから……)がモットーの外資系スーパー「COSTOCO」で購入した16本で980円の乾電池なので、4本セットで売っている他の電池に比べるとボリュームディスカウント感がかなりある。もし4本単位で購入できたら、結果が覆る可能性が非常に高いが、1時間当たりの値段は6.1円という結果になった。
DURACELLの電池は国内では入手困難なので、実質的な第2位は、インドネシア産でメーカーの電池としては4本で320円と一番安かった三洋の電池がランクイン! 1位の三菱とは2円の差が開いたものの、7.6円/時間という結果になった。僅差だったのは、寿命でコストパフォーマンスを稼いだ東芝だ。三洋と0.1円差の7.7円/時間という結果だが、購入した店によっては順位が変わる可能性大。
ワーストワンは、高い割に間欠利用では性能を発揮できなかったパナソニックのエボルタ。次いで確かに長持ちするが、その分値段も張る富士通のD RANGE、パナソニック、富士通G PLUSという結果で終わった。
次回予告! コンビニ&PB電池 vs 100円ショップ電池
第2回でお届けするのは、最近登場してきたコンビニのオリジナルブランド電池と、家電販売店などのプライベートブランド(PB)商品だ。さらに、安かろう悪かろうが通用しない電池の世界に殴り込みをかける100円ショップのさまざまな電池たち。
こいつらをまとめて間欠利用した寿命比較をしてみよう。国内メーカーと東南アジア産の怪しい電池の下克上がソコにある!
(次回へ続く)
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