パフォーマンステスト方法
ここでは、GTX 295/285を含む4枚のビデオカードについて、パフォーマンスと温度、消費電力を計測した。パフォーマンスの計測については、ベンチマークソフトの「3DMark Vantage」と最新ゲームソフトの「Call of Duty World at War」を利用した。3DMark Vantageは、DirectX 10世代のベンチマークソフトであり、「Entry」「Perfomance」「High」「Extreme」という4種類の計測モードが用意されている。Call of Duty World at Warについては、Graphicsの設定とTexture Settingsの設定を最高にし、FSAA 4xを有効にした状態で計測を行った。解像度は、1024×768ドット、1280×1024ドット、1600×1200ドットの3パターンである。
3DMark Vantage
3DMark Vantageの結果は、下のグラフにまとめたとおりだ。GTX 295は、全てのモードにおいて非常に高いスコアを叩き出しており、スコアはライバルのRadeon HD 4870 X2に比べて、Entryモードでは約1.93倍、一番負荷の高いExtremeモードでも約1.39倍になっている。シングルGPUのGTX 285も、GTX 280に比べて1割程度スコアが向上しており、プロセスシュリンクによるクロック向上の効果がはっきりと出ている。
なお、3DMark Vantageには、旧AGEIAが開発した物理演算ライブラリ「PhysX」を利用するテストが含まれているが、NVIDIAのGeForce 8/9/200シリーズには、PhysXをGPUで高速に処理するためのPhysXドライバが提供されている。それに対して、Radeon HD系GPUにはPhysXドライバが用意されておらず、CPUで処理するしかないため、3DMark Vantageのスコアは低くなりがちだ。PhysXは、最新ゲームソフトでの採用例が増えており、PhysX採用ゲームソフトを快適に遊べることも、GeForceシリーズの大きな魅力といえる。
Call of Duty World at War
Call of Duty World at Warは、最新のFPSタイプのゲームソフトであり、すべてのグラフィックスオプションを最高に設定すると、GPUに対する負荷がかなり大きくなる。フレームレートの計測結果は、下のグラフに示したとおりだ。
GTX 295は、さすがにウルトラハイエンド製品だけのことはあり、1600×1200ドットという高い解像度でも、123.1fpsという高いフレームレートを記録している。FPSタイプのゲームは、フレームレートが重要になるが、コンスタントに60fpsを超えていれば快適なプレイが可能だ。そういった意味では、今回テストした4製品はすべて合格点を付けられるが、今後登場するゲームソフトは、さらに負荷が高くなることが予想されるため、性能に余裕があるに越したことはない。高い性能を持つGTX 295やGTX 285なら、将来性も十分だ。
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 -
第432回
自作PC
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る -
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 - この連載の一覧へ