このページの本文へ

松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第48回

ファッションを主張するドコモ新シリーズに思う

2008年11月20日 20時24分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PRIMEシリーズのフィナーレ。このシリーズはケータイをのぞき込んで話をする演出が多く見られた。ファッションもアクティブでポップな雰囲気

端末開発のスパンと新シリーズへの統合

STYLEシリーズは重厚感のあるコレクション寄りの演出。ちょっと若々しいモードな雰囲気が楽しめた

 端末を見て「何シリーズだ」と言い当てるのが難しいという話を書いた。ただ、今回のラインアップと、次にリリースされるラインアップまでは、この新シリーズにフィットしないのは、仕方ないかもしれない。それは、端末開発のサイクルにある。

 一般的にケータイの端末開発は1年から2年かかるとされている。企画からデザイン、採用する技術的な進歩などを考えると妥当な期間といえるかもしれない。一方で、このドコモの新しい4シリーズは、端末開発が始まる1~2年前からスタートしていたのか、と言われると、そうでもなかったようだ。

 ある端末メーカーの担当者に話を聞くと、今回の新製品としてリリースした端末の中には、90xシリーズで出すことを前提に作ったもの、70xシリーズで出すことを前提に作ったものが存在している。そこに、4シリーズという新分類が入ってきたため、既存のシリーズ向けに作られた端末を、新しい4つの各シリーズに振り分けているそうだ。

 そのため、端末そのものを見てもシリーズが分からなかったり、この端末は別のシリーズではないのか、と思わせる端末が存在していたのである。もっとも、これから開発されたり、アレンジされる端末については、このシリーズ分けにぴったり合う味付けがなされることになり、より分かりやすい端末のチョイスが可能になっていくのではないだろうか。

 ただ、2008年の秋・冬ケータイの発表会で22モデルが一挙にお目見えしたインパクトは大きい。開発はシリーズ分けが変更される前から始まっていたとはいえ、国産メーカー各社は新モデルとして4台前後の端末を送り込んでいる。メーカー側も、ユーザーの多様化にあわせたチョイスのしやすさを提供することに注力していた。ちょうどそこにキャリアの方針転換と呼応し、今回のシリーズ分類が成立したのではないだろうか。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン