「女流一眼」のコンセプトは正解か?
DMC-G1のターゲットは、知的アクティブ女性だという。知的かどうかは評価の分かれるところだが、カメラをさほど好きではない相方に持たせてみた。大きさやボタンの配置、フリーアングルディスプレーなど、確かに手になじむカメラのようである。片手で持っても,しっかりと保持できているし、45-200mmズームレンズ装着時には、自然とレンズ鏡筒を支えにして、手のひらに安定して乗せている。
200mmズーム時など従来の一眼レフ・望遠レンズの外観からすれば、胴が太く、なんとなく奇異に見えるのだが、光学手ぶれ補正+AF駆動部内蔵では仕方のないところだろう。しかし、この見た目の好き嫌いにこだわるのも、実を言うとエントリー層に特徴的なことではないかと思える。そういった面では、カメラのスタイルや見た目ではなく、使い勝手や撮れる写真の質にうるさい層に向けた仕様も多く採り入れられているのだから、もっとマニア向けのアピールがあってもいいだろう。
なお、パナソニックとマイクロフォーサーズ規格を共同発表したオリンパスでは、クラシックカメラ風あるいは高級コンパクト機をイメージしたようなレンズ交換式のマイクロフォーサーズカメラを、コンセプトモデルとして参考出品している。パナソニックでも、レンズ開発タイムスケジュールを公表しており、パンケーキ型の単焦点レンズなども出していくという。
筆者が本製品のコンフォートレッド(ダブルレンズキット)を予約してしまったのも、既存の一眼レフカメラでは得られなかった魅力を感じたからだ。デジタルの特性は、既存のカメラの束縛から脱するためにあると考えている筆者にとって、LUMIX G1が提唱する世界は楽しいものだと予見できた。パナソニックが想定するターゲット層にあてはまらないからといって、様子見していてはもったいないのである。