撮る喜びが得られるカメラ
さて撮影機能から離れて、DMC-G1自体が有するカメラとしての魅力に迫ってみよう。先ほどはLVFに注目したが、液晶ディスプレーも決して悪いものではない。左右180度、上下270度の自由度を持つフリーアングルタイプであり、撮影スタイルを選ばないからである。
例えば、カメラをしっかりと構えにくいハイアングル・ローアングルの撮影を考えてみよう。従来のデジタル一眼レフでは少々無理のあるグリップでも、コンパクトなDMC-G1であればレリーズボタンに指が届くし、重さを気にせず支えられる。ペットの視線にあわせた撮影、花などの自然風景で、思いのままのカメラポジションで臨場感のある写真を楽しもうではないか。
小型・軽量化のため電源は専用リチウムイオン充電池となっているが、付属の充電アダプターにある9.3V出力コネクタからケーブル経由でバッテリパックの代わりに装着するDCケーブルの発売も予定されている。予備のバッテリーパック(発売予定)よりは安価だと思われるので、室内での長時間撮影時に使いたい。
ソフトな質感の塗装に好感触
ここまでほとんど言及しなかったデザインだが、手に持ったときの心地よさが「なかなか」いいのだ。DMC-G1は、女性ユーザーやエントリー層をターゲットとしているためか、触感塗装(ウレタン樹脂の微粒子を配合した特殊塗装)となっている。昨年のLUMIXシリーズの一部機種でも採用したものだが、パソコンユーザーであれば、かつてのThinkPad(ノートPC)の表面塗装をイメージするといいだろう。
触感塗装には、とがったものでこすると引っかき傷が付きやすい、皮脂汚れなどが残りやすいというデメリットもあるのだが、傷つきやすい・汚れやすいだけに大切に扱いたくなるものでもある。しかし、所有する喜びだけで終わるのはもったいない。使ってこその真価であろう。
昔のカメラユーザーは、塗装が磨耗して地金の真鍮色が見えてきたのを勲章のように誇ったという。使い込むと、どのように輝くのか、その変わりっぷりを追ってみたいものだ。