駆け引きのための「着デコ」
今となっては、音声通話の「相手の時間に割り込める」という特徴は影を潜めるようになってしまった。通話前にコミュニケーションするかどうかの判断が行なわれており、すぐに話す必要があると見なされなければ、無視されるというシビアな状況である。
学生や社会人にインタビューをすると、「番号非通知や公衆電話には出ない」「090、080、070番号以外は出ない」「050番号は怪しい」という無条件の通話のフィルタリングの判断があるそうだ。
さらには「電話帳に登録しているかどうか」(登録していれば相手の名前が表示される)、「そのとき話したい相手かどうか」で電話に出る、出ないを判断すると言うから、かつての固定電話の常識は崩壊している。
といっても、普段は知らない番号には出ない学生でも、就職活動中になると話は変わる。着信時に固定電話の番号や非通知の文字が表示されると、授業中であっても教室を飛び出して通話に出ようとするから面白い。このように、自分が置かれている状況や、着信に対する期待値によっても、電話に出るか出ないかの基準が変わるようだ。
そんな経緯を経て、コミュニケーションの前のコミュニケーションにフォーカスが当たり、今、より着信に出てもらいやすい「駆け引きのツール」のニーズが高まってきた。そこでドコモの「着もじ」、そのゴージャスなヴァージョンとも言えるソフトバンクの「着デコ」が登場したのだ。
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