ユニークかつ豊富な操作性
EX-F1は、光学12倍ズームレンズを備え、液晶ビューファインダー(EVF)による撮影も行なえる。撮像素子は1/1.8インチ有効600万画素のCMOSイメージセンサーで、最近のデジタルカメラとしては控えめの画素数。ただし、画素数以外のスペックは、よくある一体型の望遠ズーム機と変わらない。
ボディーはやや大柄で、極太の鏡胴部としっかりとしたグリップを備えたL字型の外観。標準ズームを装着した状態で、本機より小さい一眼レフ機もあるだろう。ボタンやレバーなど操作部材も多く、かなりメカメカしい操作感である。
レンズは鏡胴内でズームやAF調整を行なうタイプのため、本機は電源をオフにしても、レンズ鏡胴部に変化がない。最近のロングズーム機では携帯しやすい沈胴式ズームを採用しているケースが多いが、ありがちな「ヤワなレンズが伸びてくる」ことなく、太く頼もしい鏡胴部をがっしりと握りしめる感覚は極めて男性的である。
本体上面には、「普通の」撮影モードダイヤル(露出モード変更用)に加え、連写モードを切り替えるためのダイヤルも装備する。連写、高速連写、超高速連写、ブラケット撮影、パスト連写など、連写モードも多彩だ。パスト連写とは、キャッシュを使い、シャッターを押す以前のシーンも撮影できる機能のこと。
動画撮影に関しては、背面に録画/停止ボタンが用意されている。その周囲にあるレバーで動画撮影モード(STD、HD、HS)を選択する。背面には十字キーも備えるが、その周囲は電子ダイヤルとなっていて、露出補正や絞り値などの数値を簡単に変更できる。
メニューシステムは最近のEXILIMシリーズと共通化されている。画面左側に1列に並んだ小さなクイックメニューで撮影時の各種設定、メインメニューでより細かな設定を行なう仕組みだ。動画画質の設定はメインメニュー、静止画関連の機能はクイックメニューはほとんどがクイックメニューに入っている。静止画撮影時は本体上部のダイヤルとクイックメニューで設定し、グリップにあるシャッターボタンをプッシュ。動画はメインメニューで設定した画質にしたがって背面のボタンで録ると考えておけばよい。
動画では使わないフラッシュモードがメインメニュー側に入っているなど、それぞれの切り分けが十分でない気もするが、機能の多彩さから考えれば分かりやすい操作体系だ。1点だけ気になったのが、メニューやクイックメニューなどの設定に入ると、EVFと背面液晶表示の切り替えができなくなること。EVFで撮影を行なうが、メニュー操作は液晶画面を見たい場合には多少軽快さに欠けるのではないか。