人が追いつかない? 「毎時3600個」の速度
味にもこだわりがある。「機械が握ったシャリって、あの固くて味気ないヤツでしょ?」とあなどるなかれ。最初は機械で握ったことがバレバレな食感だったが、24年の間に大きく進化して、今では下手な寿司職人が握るより美味しいシャリが安定して作れるようになったという。
「ふわっとして、口の中でぱらりと解ける感覚を再現しています。いくらお寿司屋さんでも、規模の大きい宴会になると、限られた時間で数をこなすためにすべてベストな状態にシャリを握れないこともあるんです。もちろんお店にもよりますが、大量に握るんでしたら、うちのほうが美味しいですよ」(小柳氏)
大量生産という点では、スピードも圧倒的だ。普通の寿司職人は大雑把に言って1時間に1000個くらい寿司を握れるそうだが、冒頭のムービーで見せた同社のハイエンド機「ASM600W」なら1時間に3600個。つまり1秒に1個、シャリが作れるのだ(ワサビ付きで!!)。
この毎時3600個という速度は、ときとして速過ぎて人間が追いつかないこともあるという。ASM600Wでは、ターンテーブルからシャリ取り上げると次のシャリ玉が出てくるという仕組みだ。だからわれわれ人間側も1秒に1回、シャリ玉を取り上げられる「ハイエンド」の職人を用意しなければ、機械の最大パフォーマンスを生かしきれない。すしメーカー、恐るべし!!