振るのがヤミツキになる?
そんな904SHの生みの親であるシャープが手掛けたのが、冒頭で挙げた921SHだ。こちらもモーションセンサーがキーポイントとなっている。
921SHはスライド式のケータイで、真っ黒な表面が特徴的だ。ひとたび液晶が点灯すると、その美しさ、高精細さに驚かされる。閉じたままでも操作できるように、画面下にタッチセンサーを、本体脇にサイドボタンを用意。タッチセンサーを採用したおかげで、スライド式ながら、非常にすっきりとしたボディーラインとなっている。そして、タッチセンサーが使用可能の際には、エリアのドットが点灯するという演出も細かい。
このタッチセンサーを強力にサポートするのがモーションセンサーで、「ケータイを振る」ことへの新しい意味付けがなされている。
プリセットでは、右に2回振るとワンセグが起動、左に2回振るとカメラが起動、右/左と振ればメールの受信ボックスを開く、といった具合だが、さらに奥に振る動作との組み合わせにも機能を割り当てられる。動きを覚えるまでは使いにくいかもしれないが、自分の動作で機能が起動する快感はヤミツキものだ。
何かを振るという動作は無意識にやってしまったり、楽しい動作として記憶しているもの。そこにモーションセンサーが加わると、意味のある動作に変化して、動作と機能の連携が何とも心地よい操作感として記憶される。長く同じ端末を使うときには、愛すべきポイントのひとつとなるだろう。
筆者紹介──松村太郎
ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET。
*次回は4月17日掲載予定
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