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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 ― 第18回

ゴクラク、日本語入力「922SH」

2008年04月03日 21時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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922SH
【今週の1枚】922SHのキーボードは、キーの幅が広く、両手の親指で使うようによく考えられたデザインだ。握るとキチンと人差し指で端末をホールドできるため、手も疲れにくい

 過去、フルキーボード付きのスマートフォンはいくつも登場してきたが、日本語入力については十分に満足できる端末はそう多くなかった。今回は、そんな状況を変えてくれそうなソフトバンクの「922SH」を紹介しよう。


 日本のケータイはとことんテンキーにこだわっていて、ほかのスタイルの端末はなかなか出てこない。そのテンキーだけでも打ちやすさや快適さ、素早い打鍵の可否などの奥深さがあるのだから、ここにフルキーボード搭載機が増えてきたら、さらに慣れや好みが細分化していくことは想像に難くない。

 ポケットベルの時代に編み出された、ふたつの数字を組み合わせて日本語を入力していく「ポケベル打ち」(「2タッチ入力」とも呼ぶ)。ポケベル全盛期、渋谷駅の東横線改札前は、特に忘れられない光景だ。緑のカード式公衆電話に向かって高校生がものすごい勢いでダイアルキーを叩くのである。

 当時はポケベルセンターに電話をかけて、プッシュボタンでメッセージを打ち込み、電話を切れば相手に届く仕組みだった。そのためのんびりとダイアルキーを押していたのでは、テレホンカードの1度数のうちに1メッセージを届けられない。少しでも電話代を減らしたいと鍛錬した結果が、渋谷駅の構内に響く公衆電話の打鍵音だったのだ。



予測変換があれば、かな入力でも快適


 しかし、最近では、当時、ポケベル入力をマスターした人でも、かな入力を利用しているという人が少なくない。

 かな入力は、すべてのひらがなを2打で打ち込めるポケベル打ちに比べて、どちらかといえば効率が悪い。例えば、「こ」を入力する場合、ポケベル入力では「2」「5」と2回押すだけだが、仮名入力では「2」「2」「2」「2」「2」と5回も押す必要がある。これが文章ともなると、打鍵数が相当違ってくる。

 しかし、それでもかな入力を使い続けるのは、予測変換という強い武器があるからだ。「あ」と打てば、すぐに「あした」「ありがとう」「あいたいよ」と候補が表示されて、そこから選ぶだけの日本語入力環境なら、かな入力でもそんなに問題はない。

 日本のケータイについて、フルキーボードをそこまで大きな魅力として感じられない理由がこの予測変換にある。

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