予算案の審議で、「ダウンロード違法化」は後回し?
── 「ダウンロード違法化」の法案は、このまま国会を通ってしまうのでしょうか?
津田 通常のプロセスに沿うなら、1月には法案が国会に提出されて、特に議論されずに可決されるでしょう。
著作権の法案は「政治的な争点」になりにくいんです。だから、自民党も民主党も官僚にまかせている部分が大きい。今まで提出された法案も、ほとんどすんなり通ってきました。もちろん先の参議院で多くの議席を確保した民主党が反対すれば、法案は通りません。ただ、民主党が「ダウンロード違法化に反対する」ことを「政治的な争点として重要」と見ているかどうかは微妙ですね。「著作権よりも先に議論すべきことがたくさんある」というのが本音でしょう。
とはいえ、優先順位が低いという意味で、現実的な話としてこの法案が「先送り」にされる可能性はありますね。
── と言われますと?
津田 国会が空転しているんです。来年度の予算案を決める時期ですし、重要法案以外はなかなか通らない雰囲気になっているみたいですね。だから、今回の著作権改正法案が後回しになる可能性はあると思います──提出されない可能性もゼロではない。国会が混乱することで法案を出せないという状況は今までにもありましたし。
この連載の記事
-
第36回
トピックス
津田大介が語る、「コルシカ騒動」の論点 -
第35回
トピックス
津田大介が語る、日本版「フェアユース」とは? -
第34回
トピックス
これはひどい? 「薬のネット通販禁止」騒動の顛末 -
第33回
トピックス
どうなる出版? Google ブック検索がもたらす禍福 -
第32回
トピックス
津田大介に聞く「改正著作権法で何が変わる?」 -
第32回
トピックス
なくならないネットの誹謗中傷、どうすればいい? -
第31回
トピックス
テレビ局はなぜ負けた? 津田氏に聞くロクラク事件 -
第30回
トピックス
DRMフリー化は必然──津田氏が語る「iTunes Plus」 -
第29回
トピックス
法律が現実に追いつかない──津田氏、私的録音録画小委を総括 -
第28回
トピックス
「小室哲哉」逮捕で露呈した、著作権の難しさ -
第27回
トピックス
ダウンロード違法化が「延期」していたワケ - この連載の一覧へ