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時事ニュースを読み解く “津田大介に聞け!!” 第32回

なくならないネットの誹謗中傷、どうすればいい?

2009年02月26日 13時00分更新

文● トレンド編集部、語り●津田大介(ジャーナリスト)

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津田氏

津田大介氏

 実社会と同様、ネットで決して絶えることがないのが誹謗中傷だ。

 2月上旬には、お笑いタレント・スマイリーキクチ氏を誹謗中傷/脅迫する書き込みをしていたとして、中野警察署が男女18人を書類送検するというニュースがネットで話題になった。スマイリーキクチ氏によれば、こうした嫌がらせはインターネットの掲示板で事実無根のウワサを作られた10年ほど前から続いており、2008年1月に開設した自身のブログにも悪意のあるコメントが投稿されていたという(詳細はスマイリーキクチ氏のブログを参照)。

 匿名の誹謗中傷でこれだけの人数が摘発されるというのは、過去、日本ではあまりなかったこと。この事件はネット社会の何を表しているのだろうか。ジャーナリストの津田大介氏に話を聞いた。


安易な誹謗中傷への警告

── ネットではさまざまな場所で誹謗中傷の文章を見かけます。なぜ今回は書類送検されたのでしょうか?

津田 いろいろ思うところはありますが、この摘発が妥当だったかどうかでいえば、仕方のない部分はあるんでしょう。事実無根の中傷を繰り返していたわけですから。

 インターネットは全体で見れば有益な情報やサービスが多いですが、一部には度を超した中傷や殺害予告といった、警察が動かざるを得なくなるような悪質な書き込みがあるのも事実です。

 今回、警視庁は「同じようなネット上の中傷はたくさんあり、こういうことをすれば警察に摘発されるんだと警告する目的もある」というコメントを発表していました。実際に行動することで、匿名でも取り締まられる可能性があると注意したのでしょう。

 今回は、「2ちゃんねる」のような匿名掲示板ではなく、本人が管理するブログのコメント欄に書き込んでいたということも大きなポイントになったと思います。本人の公式ブログはファンも見ている公然の場所です。そうしたファンに対して事実無根の情報を書き込んでいたことになる。書き込まれた本人がそれに対して「毅然と対応します」と言っている時点で、摘発されたのは当然なのかなと感じました。

スマイリーキクチ氏のブログ

スマイリーキクチ氏が事件を語ったブログの記事

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