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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第4回

「ひかり」と「ふるえ」のナビゲーション「L704i」

2007年11月08日 21時20分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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つるんとした「chocolate」


 そして、ヴァーチャルなボタンとリアルなボタンを上手く融合させたもうひとつの例が、L704iである。

 L704iは、DoCoMoから10月にリリースされた「704i」シリーズ最後のケータイだ。「Black Label」と銘打ってLG電子が製造する世界戦略モデルで、通称「chocolate」フォンという。

L704i

「L704i」。端末はシンプルなスライド式で、液晶ディスプレーがついた部分を上に動かすと、ダイアルボタンが現われるという点もオーソドックス

 そのいちばん特徴は、つるんとした光沢のあるボディーだろう。一般的なスライド式ケータイでは、せっかくダイアルボタンの凹凸群がスライドによって隠れたとしても、ソフトキー周辺で凹凸ができてしまって、表面をスマートに保つことは難しい。

 しかしL704iでは、液晶ディスプレー下の十字キーやソフトキー、通話/終話のボタンをタッチパネル化したことで、つるりとしていてうっとりするほどキレイなボディーに仕上がっている。



タッチパネルとボタンのいいとこどり


 さて、ヴァーチャルとリアルをつなぐために、先の「PLAY」と「RHYTHM」は突起という解決方法をとったが、L704iのタッチパッドでは、光と振動で触感を知らせてくれる。

赤いLED

操作可能なときに、つるりとしたディスプレーしたに赤いLEDでボタンが浮き上がる。触れると振動でフィードバックしてくれる

 例えば操作するために端末に触れると、ボタンの部分が赤いLEDで浮かび上がり、「ここがボタンですよ」とユーザーに教えてくれる。さらにこの光に触れると、端末全体がバイブレーターによって振えて、ボタンに触れたことをフィードバックしてくれるのだ。十字キーを連続スクロールするときには、力をかけずに触れていればいい。とにかくライトな操作感だ。

 タッチパネル式のインターフェイスのようにスムーズな感触でありながら、ボタンのような操作感も失っていない──。L704iのタッチパッドは、光と動作、そして振動との関係性が何とも新しい感覚であり、操作していて心地よさを感じさせてくれる。

 ちなみに、L704iのダイアルボタンは普通のボタンであるが、クリック感は浅くて反応も良好。タッチパッドのスムーズさを踏襲するような押し心地であり、素早い入力にもしっかりついてくる。

 L704iは広告などのブランディングからも、女性を強く意識した端末だということが分かる。

 帰宅時に、駅から家まで夜道をケータイ片手に歩く女性は多い。そんなときにも、赤く光るタッチパッドはオシャレな気分を盛り立ててくれるし、その赤い光に触れると返ってくる振動は、どこか安心感すら与えてくれる。普段はメールでも来なければ振えないケータイが、応えてくれるんですから。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。自身のブログはTAROSITE.NET



*次回は11月15日掲載予定



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