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窓の円盤を何万枚も売った女が語る 『そんなの業界じゃあたりまえっちゃ!』 第1回

「CPU人柱」の先にあったものは……

2016年11月02日 11時00分更新

文● せれろんやまだ

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「新製品」

 新しく発売される製品であることはもちろん、これから始まる発売までの慌ただしい日常と共に、パソコンの性能アップや、売上の向上に対する期待を意味する言葉です。

 そして、その中でもなにより楽しいのが「性能の検証」です。

 この検証、製品を試すことはもちろんですが、営業トークのネタや販促アイテム(POPとか)を作るのにも欠かせないんです。

 が、この検証作業、業界では「人柱」って言われているのをご存知でしょうか? あんまり気持ちのよろしくない単語だけど、まさに検証は時として「人柱」になるのです。

 なぜかというと、

動かねぇ
時間だけが過ぎる
ハマってしまい自腹を切る

 そんな犠牲臭プンプンの検証作業ですが、実はその先に『光』が待っていたりするのです。

 …‥金と時間と労力がそのまま戻ってくるわけじゃねーけどな?

せれろんやまだ

 大手PC関連デバイス販売代理店で敏腕を誇った“姐御”。現在子育てに悪戦苦闘中。IT業界の“あるある”から“困った”をブッタ切っていくぞ!

 それは数年前、CPUの時代が「シングルコア」から「デュアルコア」に移っていこうとしているときでした。

  「NorthwoodのPentium 4が欲しい」と販売店の皆様から延々と言われる中、IntelのデスクトップCPU初のデュアルコア製品、「Pentium D」が登場しました。

 新製品。しかもはじめてのデュアルコア。

こっ...これは試さんと...!! パーツ女子(※当時)の名がすたる...!!

 と、いうことで、『流行りの洋服<<<<<新しいCPU』 という(普通の娘には)ありえない不等式が脳内で成り立った結果、さっそくPentium Dをゲットしたのです。あ、もちろんマザボもね。

 これで金は使いました。次は時間と労力を使う番です。

 就業後、おもむろに自分のデスクにパーツ一式を広げます。

 「パソコン作るより家帰ってメシ作れよお前……」という声を男性社員からいただきましたが……

 うっさい! メシは作って食ったら終わりだろ?パソコンは作って起動しても終わりではないんだよ!

 パーツからパソコンを組み上げて、従来のCPU達でベンチマークとって……いろいろしていると夜もふけてきます。すると、徐々にテンションが高くなり、パチンと変なスイッチが入ります。「夜のテンションスイッチ」です。

 ……Pentium DのSpeed Step切ったらどーなるやろ……

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