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業務を変えるkintoneユーザー事例 ― 第18回

急成長するスタートアップにkintoneはどのように貢献できるのか?

ソラコムの営業現場を支えるkintoneのすべらない活用術

2018年02月27日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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グローバルに向けてIoTプラットフォームを展開するソラコム。急成長を遂げるスタートアップの営業現場でもサイボウズのkintoneが活躍していた。ソラコムの江木典之氏と片山暁雄氏にkintone導入の背景と活用法について聞いた。(以下、敬称略)

既存のツールはスタートアップのスピード感にあわない

大谷:まず江木さんの肩書きのグロースエンジニアってどんな役割なんでしょうか?

江木:現在は業務改善をテクノロジー観点で進めるエンジニア兼プロジェクトマネジメントという感じですね。もともとは社内プロセスや顧客管理といったエンジニアや営業からこぼれた仕事を拾うような役割だったんですけど、僕が入った当時は案件管理や顧客管理みたいなツールもプロセスもまったくなかったので。

ソラコム グロースエンジニア 江木典之氏

片山:江木がソラコムにジョインしたのは、SORACOM Airのサービス開始直前だったんです。当然、エンジニアリングリソースをサービス開発につぎこんでいたので、それ以外は見てなかったというのが正直なところです。

大谷:では、始まりは案件や顧客管理をなんでやろうかみたいなところから入ったんですね。

江木:そうです。まあ、Excelでもよかったんですけど。

大谷:うーん。なんとなくソラコムさんにはExcel使ってほしくないです(笑)。

江木:ですよね。やっぱりクラウドで、数字を集計までしてくれるサービスを調べていったら、kintoneに行き着きました。スタートアップ周りの人たちの評判もよかったので。

大谷:片山さんにもkintoneに行き着いた経緯を聞きたいです。

片山:個人的にほしかったのは、特定の処理が完了したら、次のプロセスに進むといったワークフローです。サービス開発で課金周りをやっていたので、請求書情報の切り替え処理などでワークフローみたいな機能が必要だったんです。kintoneはそれができるらしいぞと。

ソラコム プリンシパルソフトウェアエンジニア 片山暁雄氏

あとはJAWS-UGの金春さんみたいなSIerの方が使っているので、カスタマイズがけっこう効くんだろうなという期待値がありましたね。

SORACOMと同じようにkintoneもさくっと始められる

大谷:実際、どうでしたか?

江木:さっそく試用したのですが、セットアップすれば、すぐに使えるみたいなスピード感がよかったです。僕らが作っているサービスと同じで、ユーザーがセルフサービスですぐに使い始められます。

片山:正直、営業さんが来て、商品説明してもらって、見積もりとって……というプロセスだと、もうスピード感に合わないんですよね。

江木:その点、kintoneは値段も手頃だし、使ってみたら、いろいろできそうだったので案件や顧客の管理で使い始めました。

問い合わせ管理のほかは、契約しているSIMの管理や利用しているサービス、オーダーの履歴などお客様の管理ですかね、これらはもともと社内システムに入っている情報なんですが、営業がおいそれといじれる感じでもないので。

大谷:正直、ソラコムさんくらい開発能力高かったら、作ろうと思えば作れるんじゃないですか?

江木:うーん。確かに作ろうと思えばできるんでしょうけど、すでにあるサービスは使った方がいいという考え方です。

片山:あと、画面が圧倒的に作りやすいというのがありますね。kintoneはとにかくフォームが作りやすいので楽です。

大谷:カスタマイズについてはいかがでした?

江木:APIは違和感なく使ってますね。問い合わせや請求書情報の切り替え依頼も、Webサイトからデータが入ってくるので、APIを使って、これらをそのままkintoneに登録しています。SORACOMのユーザーコンソール以外のWebサイトからのエントリはkintoneにそのまま入れてますね。

片山:サンドボックスがあるので便利だし、JavaScriptなので開発しやすいです。Webからデータがkintoneに入ってくると、Slackに通知されます。営業はそのリンクを開いて、kintoneで確認したり、ステータスを変えるといった感じで使っています。

「Webからデータがkintoneに入ってくるとSlackに通知されます」(片山氏)

たとえば請求書発行の場合、Webから情報が入ってきた段階でユニークなIDが振られ、コマンドごと出力するようにしています。こうすれば営業担当もコピペすれば間違いないんです。審査中とか、発行準備中といったプロセス管理も可能で、処理完了したらメールを飛ばすみたいこともできます。個人的にはここが一番ツボですね。

大谷:いいですね。Excelはこういうのが苦手ですよね。

片山:PoCアカウントを作ってほしいみたいなリクエストもSlackだと流れちゃうので、kintoneに登録するようにしています。

業務に合わせてシステムを成長させるにはkintoneがいい

大谷:お話し聞いていると、スタートアップということもあり、業務を改善しながら、システムを作っていく感じですね。kintoneはそこにはまったんでしょうか。

片山:まさにその通りです。仕事を取りこぼさないためにシステムを急作りするのにkintoneはぴったり。先ほど話していたWebの問い合わせも、正直どれくらい来るかわからないし、社内システムに穴を開けるのも面倒です。だから、とりあえずkintoneでちゃちゃっと作っておいて、あとから変えればいいのかなと。

江木:いきなり自動化するのは敷居も高いので、ある程度手動の部分を残してkintoneで作り、負荷が大きくなってきたら、またやり方を変えればいいんですよね。

大谷:逆にkintoneに対する要望とか、これ足りないなという部分ありますか?

片山:個人的にはAWSでいうところのIAM(Identity and Access Management)のようなセキュアな権限管理ストアがあるとうれしいです。現状、kintoneからAWSを呼び出す場合、クレデンシャル情報を使うたびにAPIコールに埋め込む必要があるので、やや面倒。kintoneにあらかじめクレデンシャル情報を登録しておけば、後ろでよしなにやりとりしてくれると、AWS連携が進むと思います。

現状、そこでちょっとびびって連携をさぼっているところがあります。Lambdaが呼びやすくなるだけで、開発者は相当うれしいはずです。

大谷:今後、kintoneでやってみたいことあれば教えてください。

江木:問い合わせがけっこう溜まってきたので、そこから属性を抽出して一斉にメールするとか、データを有効活用できたらいいなと思います。メールの配信とかもkintoneは強いはずなので。

大谷:ありがとうございました。

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