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骨太な対談や見学記事、タイミングのよいニュースが人気!

読み逃してない?TECH.ASCII.jp上半期人気記事ランキング

2014年07月02日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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TECH.ASCII.jpで2014年上半期に掲出した記事のうち、特によく読まれた記事を調べてみた。予想通りの結果、予想外の結果などいろいろあったが、やはり骨太な対談や取材記事に人気が集まることがわかった。読み逃している人は、ぜひ一読してもらいたい。

新年を飾ったあの対談
温故知新にとどまらない講演レポート

 クラウドの分野では、1月に3週に渡って掲載したさくらインターネットとサイボウズの社長対談記事が読まれた。日本のクラウドの展望を論じた3回目の「グローバル化とビッグデータの時代、日本のITはどうなる?」が総合で1位、1990年代に創業した2人が自らの戦いを語った1回目「ネットバブル、受託体質、クラウド……戦い続けた2人の15年」が4位となり、2回目「クラウドビジネスはお客様もパートナーもハッピーにする」も上位にランクインした。“ピン”でも面白すぎるサイボウズの青野社長とさくらインターネット田中社長との対談は、新年1発目からまさに素晴らしい化学反応を引き起こした。長尺だが、未読の方はぜひ。

社運をかけるクラウドビジネスへの覚悟を語ったサイボウズの青野慶久社長

イノベーションの重要性やビジネス化で持論を展開するさくらインターネット田中邦裕社長

 また、“巨人”たちの熱い講演も高い人気を得た。インターネットの巨人レナード・クラインロック氏がパケット通信について語る「「インターネット誕生」の瞬間、ログに残された2行のメモ」が2位、元NTT常務取締役の戸田 巌氏の「電話とネットの半世紀を支えた技術者が語る「常識否定のために」」が3位、そしてオープンソースの神様がインターネットの監視問題について語る「ストールマン氏が語る「巨大な監視エンジンと民主主義の危機」が7位、「“日本初のハッカー”和田英一氏、黎明期のコンピュータ研究を語る」が14位にランクインした。こういた温故知新系はアスキー系の読者には昔から人気も高いが、どの記事も単なる昔話にとどまらない鋭い切り口で、現在のインターネットやIT業界に警鐘を慣らしているのが特徴。どの記事もSNSでの反応が高く、読者の評価も興味深い。なにより、講演の生々しさをまるごとパッケージしてくれた大森秀行氏や末岡洋子氏などのライター陣には心から感謝したい。

フリーダムの重要性を語るストールマン氏

破壊的技術のビジネス化まで論を進める戸田巌氏

海外イベントレポートや西日本事例取材なども人気

 海外レポートでは、NSA問題で揺れる「RSA Conferenece 2014」の基調講演を生々しく描いた「火消しで手いっぱいのRSA、スノーデンがかけた呪いの影響は?」と、普段なかなか見られない電子証明書の認証局を潜入レポートした「そうだ、認証局行こう!SSLサーバー証明書発行の現場を見た」が20位にランクイン。「ちょっぴりシニカルでユーモアのある谷崎朋子先生の記事が読めるのはASCII.jpだけ!」というわけではないが、これからもご期待いただきたい。

 定番ともなっているデータセンター見学記事も高い人気を得ることができた。過去TECH.ASCII.jpでは、さくらインターネットの石狩データセンター、KVHの印西データセンター、IIJの島根データセンター、NTTコミュニケーションズ第4・第5データセンターなど数々のデータセンター見学の実績を持っている。今回はついに日本を飛び出し、シンガポールまで足を伸ばした「TECH大谷が行くKVHシンガポールデータセンター見学ツアー」が5位に入ったほか、ミスト冷却という新機軸が売りの「ミスト冷却が新しい!NTTスマートコネクトの大阪DCへ潜入」が6位となった。前述した認証局もそうだが、普段入れないところをレポートするというのは、やはり記事としてのバリューが高いことを再認識した。

不肖オオタニがシンガポールのデータセンター行ってきました

NTTスマートコネクトではミスト冷却の威力を存分に体感してきました

 今年の上半期多かった西日本での取材記事もよく読まれた。九州を中心に外食店を展開するジェイアンドジェイのVPN導入を描いた「ジェイアンドジェイがオールインワンネットワークを選んだ理由」、基幹系システムのクラウド化を進める日本空調サービスの「スマートコネクトVPSで「持たない選択」をした日本空調サービス」などのユーザー事例が上位にランクインした。

 日常的にアップしているニュース記事に関しては、やはり読者が知りたいタイミングに、知りたい内容をわかりやすい見出し・タイトルで掲出することが大事なようだ。たとえば8位の「IBM、レノボへのx86サーバー事業売却の「なぜ?」に答える」や9位の「小さく始めて大きく伸ばす」がマイクロソフト流のIoT」、20位の「もうすぐ登場!「SQL Server 2014」の進化ポイントをチラ見せ」などは、タイミングがうまくあったと言えるだろう。

IBMのアダリオ・T・サンチェス氏がx86事業について説明

マイクロソフトのIoT戦略を説明した記事が人気

 昨今の傾向としては、ソーシャルメディアやまとめサイト、ニュースアプリからの突発的な流入でPVが大きく変わり、なかなか読み切れなくなっているのも事実だ。とはいえ、やはり面白い記事が長く読まれるという傾向は変わっていない。今後も他媒体との差別化やスピード、企画力などの価値をこれからも追求していきたいと思う。下半期もよろしくおねがいします!

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