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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第131回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月13日~4月19日

もうインターネット通信の半分は“ボット”、デジカメ出荷が13年ぶり増加、生成AIのリスクに慎重な大企業、ほか

2024年04月22日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。

 今回(4月13日~4月19日)は、生成AIの「リスク」をユーザー企業はどう見ているか、クラウドアプリ(SaaS)を悪用したマルウェア配布の実態、プラスに転じた2023年のデジタルカメラ市場、インターネットを席巻する悪性ボットについてのデータを紹介します。

[生成AI]大企業は生成AIへのリスクに慎重、98%が「全社取り組みを中断してポリシー策定する」(PagerDuty、4月16日)
・技術幹部の98%が「生成AIの全社的取り組みを中断してポリシーを策定している」 ・51%が「適切なガイドラインが整備されるまで生成AIの導入は検討していない」と回答 ・「著作権や法的リスクが非常に不安」も51%

 Fortune 100企業のCIO直属幹部1000人を対象に、生成AIの導入について調査した。全体にセキュリティ面と倫理面の懸念が強く、生成AIの採用に慎重な姿勢であることが明らかになった。回答者の98%が、生成AI採用に向けた取り組みを一旦中断してガイドラインとポリシーの策定を進めていると回答した。また51%が適切なガイドラインが整備されるまで生成AIの導入は検討していないと回答した。一方で、調査対象となった幹部の64%は組織の多く/すべての部署で生成AIをすでに使用していると回答している。

[セキュリティ]「Box」「Slack」が多い日本のクラウドアプリ、マルウェア全体に占めるクラウド配布の比率は世界最多(Netskope Japan、4月16日)
・日本の特徴は「Box」(日本13%、それ以外は1%)とAI搭載アプリ(Microsoft Copilotは日本18%、同7%) ・マルウェア配布にクラウドアプリが悪用される比率は日本が59%、世界は53% ・最も多いマルウェア配布元は「Microsoft OneDrive」「SharePoint」「Box」など

 Netskope Threat Labsによる、2023年4月~2024年3月の調査結果を、日本市場向けにまとめなおしたレポート。日本でよく利用されているクラウドアプリについて、Microsoft(OneDrive、SharePoint、Copilotなど)やGoogle(Google Drive、Gmailなど)は世界と同じトレンドを示す一方、Boxは13%(世界は1.2%)、Slackは日本13%(同4.2%)と、世界と比べて大幅に多かった。また、AIアシスタントを利用するユーザーも18%を占めた(世界は7.8%)。こうしたクラウドアプリがマルウェア配布に「悪用される」割合も、日本が59%と世界最高の割合を示した。

クラウドアプリの日本(緑)と他地域(オレンジ)の利用(出典:Netskope Japan)

マルウェア全体で、クラウドアプリを悪用して配布される比率。日本は59%で世界最多だった(出典:Netskope Japan)

[消費者]デジカメ市場は2023年に前年比7%増、13年ぶりの「プラス成長」(GfK Japan、4月18日)
・2023年のデジタルカメラ市場(台数)は120万台、前年比7%増
・レンズ交換式カメラ購入のきっかけは「旅行に行く」が24%
・レンズ交換式カメラは9%増、10~20万円の中価格帯が好調

 全国の家電・IT製品取扱店およそ1万店の販売実績データなどを基に作成した、2023年のイメージング市場の販売動向。デジタルカメラの出荷台数は120万台で、2010年をピークに縮小し続けてきた市場が、13年ぶりの前年比プラス(7%の増加)を記録した。市場縮小の背景にはスマホの存在があるが、2023年は「高画質で撮影したい」(27%)、「買い替え」(25%)、そして「旅行に行く」(24%)といったトレンドでカメラ購入が増加した。

2023年の国内デジタルカメラ市場は、13年ぶりの前年比プラスを記録(出典:GfK Japan)

レンズ交換式カメラの購入で「重視する機能」(出典:GfK Japan)

[セキュリティ]世界のインターネットトラフィックの49%が「ボット」に(Imperva Japan、4月17日)
・2023年、世界のインターネットトラフィックに占めるボットの比率は49%
・悪性ボットによるトラフィックの割合が最も高い国は「アイルランド」で71%、日本は17%
・生成AIとLLMによりシンプルボットが増加、2022年の33%から2023年は39%に

 グローバル調査「悪性ボットに関する報告(2024年版)」より。2023年、世界のインターネットトラフィックの半分(49.6%)はボットによるものだった。これは前年比2ポイントの増加で、2013年の観測開始以来、最も高い割合だという。日本は17.7%で、前年の16.3%から微増した。生成AI/LLM技術の浸透によって、Webのスクレイピングボットや自動クローラーを使いモデルを学習させて自動化スクリプトを作成するシンプルボットが、39.6%に増加した(前年は33.4%)。また、アカウント乗っ取り攻撃も前年比10%増加したという。

インターネットトラフィックに占めるボットの通信は、悪性/良性を合わせると49.6%に

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