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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第18回

はちゅねのネギ振りから始まった、楽しい技術の無駄遣い

ニコニコ動画の技術革新は「ニコニコ技術部」から始まる

2014年01月30日 11時00分更新

文● myrmecoleon

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それはネギ振りから始まった

 カテゴリタグとなる以前の「ニコニコ技術部」の動画は「科学」のカテゴリタグで投稿される傾向がありました。また一緒にニコニコ動画(9)よりカテゴリタグとなった「作ってみた」「ニコニコ手芸部」も「ニコニコ技術部」と内容が重なるタグであり、カテゴリタグとなった以降もこれらのタグは「ニコニコ技術部」とともにつけられることが多いです。

 現在「ニコニコ技術部」タグの動画の約2割には「作ってみた」タグが、約1割には「科学」タグがついており、また「ニコニコ手芸部」タグの動画の2割には「ニコニコ技術部」タグがついています。

関連タグ同士の重なり
全体 内、ニコニコ技術部 内、作ってみた 内、ニコニコ手芸部 内、科学
ニコニコ技術部 約2万6700   20.3% 4.2% 9.5%
作ってみた 約3万3700 16.1%   5.3% 5.1%
ニコニコ手芸部 約4900 22.8% 36.5%   0.8%
科学 約4万3100 5.9% 4.0% 0.1%  

 グラフ2はカテゴリタグの「作ってみた」「科学」、システム関連のタグ、および上記の投稿者関連のタグを除外して、各年の前後半で「ニコニコ技術部」タグのついた動画に並んでついていたタグを順に並べたものです。

2014年1月時点で視聴できる「ニコニコ技術部」タグの動画について、各年の前後半ごとに多かったタグを順に並べたもの。本文にあるとおり一部のタグは除外している。初音ミク関連は緑、その他のキャラクター関連は赤、技術内容やツールを示すタグは紫、それ以外のカテゴリタグは青、その他のタグは灰色に塗ってある

 ニコニコ技術部ははちゅねのネギ振りから始まったと言われています。実際に「ニコニコ技術部」の初期の投稿では初音ミク・はちゅねミク関連のタグが多く、2009年頃までは初音ミク周辺のブームがニコニコ技術部の動画を牽引しています。この時期の出来事としては2008年の「はちゅねミク小型化戦争」やボカロ曲のPVで初音ミクが弾いている謎の楽器を再現した「あの楽器」などの流行がありました。

 その後は初音ミクの影はやや薄れ、2010年は「東方」のBad Apple!! 影絵PVの関連動画が増加、2011年は「魔法少女まどか☆マギカ」関連の作品がよく投稿されています。最近はあまり目立ったコンテンツは見えませんが、初音ミク関連の動画も増えてきており、また2013年後半は「艦これ」関係の技術部動画も多数上がっていたようです。

 動画で紹介されてる技術・作品の傾向としては、従来から電子工作関係が多いようですが、2010年頃からプログラミング関連の動画が増えてきているようです。その他、「MikuMikuDance」関連の新技術を紹介する動画や、ゲームを自作している動画に「ニコニコ技術部」タグがつくことが多くなっています。

 投稿数こそ減っているものの、ニコニコ技術部は依然として非常に人気の高い動画ジャンルです。現在も日々新しいアイディアを携えた動画が投稿され、しばしば話題になっています。これまではちゅねミクのネギ振りや「あの楽器」、影絵動画のようなコンテンツに触発されながらさまざまなアイディアで動画が作られ、電子工作やプログラミングのような「技術」が身近なものとして楽しめるのもニコニコ技術部の魅力です。

 またニコニコ技術部の「VOCALOID3D化計画」の流れから起こった「MikuMikuDance」や、「ゆっくり実況プレイ」の投稿を増やした「ゆっくりMovieMaker」のように、ニコニコ動画内のジャンルを生み出し、あるいは盛り上げた作品もニコニコ技術部から登場しています。ニコニコ技術部はまさしくニコニコ動画の技術革新を生み出す場となっています。

ニコニコ技術部発祥の地とも言われる動画。はちゅねミクがネギを振る例の動画を身近なもので再現しようと試みられた作品で、これに触発されてさまざまな投稿者がはちゅねのネギ振りを再現した。これがニコニコ技術部の原点と言われている。

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