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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 ― 第39回

次回コミックマーケット88のトレンドも予想してみた

恒例!コミックマーケット87とpixivの二次創作人気を調べてみた

2014年12月18日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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 この連載では、独自に収集したデータを使って、みんな知ってるようで知らないニコニコ動画やpixivの現在を紹介していきます。今回は再び開催迫ったコミックマーケット関連の話題を取り上げてみましょう。連載一覧はこちら

筆者紹介:myrmecoleon

 明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β実行委員。趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。記事に使ったデータ元の『ニコニコ統計データハンドブック2014』など同人誌をコミケで頒布。ブロマガでは連載記事の補足も。
 Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった近著に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』(イースト・プレス刊)。右の画像は筆者を擬人化?して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

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今年は28日から30日開催のコミックマーケット87

 今年は大晦日の手前となる12月28日から30日にかけて、東京お台場の東京ビッグサイトにて同人誌即売会「コミックマーケット87」が開催されます。コミックマーケットは、ニコニコ動画などの投稿サイトが登場するずっと以前からプロではない個人の作品発表の場として重要な地位を占めているイベントで、毎回3万5000弱のサークルが参加、のべ60万人近くの来場者が3日間で訪れます

 この連載では第31回で前回「コミックマーケット86」に関しての記事を書きましたので、今回もコミックマーケット87の人気の動向と、人気作品のpixivでの動きをみていきます。

 まず前回同様に今回参加するサークルの比率をみていきましょう。

 前回説明しました通り、コミックマーケットではジャンルコードという仕組みがあり、これを目安にどういった分野のサークルがどれくらい参加しているかを調べることができます。今回の比率としてはグラフ1の通りです。大きくは変わりませんが、下記のように人気ジャンルの動きがあり、週刊少年ジャンプ関連と同人ソフトと小説のサークルが減、アニメ・ゲーム・ギャルゲーがそれぞれ増加しています。

公開されているコミックマーケットWebカタログのジャンルコード情報を参考にいくつかに区分けしたコミックマーケット87のサークル数の比率

サークルの数え方

 コミケではオリジナルのマンガなどを頒布する創作系のサークルなどもありますが、前回もご紹介したとおり全体の6~7割ほどは何らかの既存作品のファン活動として関連した作品を頒布する二次創作サークルです。

 いつも通りこうした二次創作サークルを作品毎にカウントしていきますが、前回のコミックマーケット86を扱った際に調査方法についての問い合わせが多かったので、今回はこの調査をどのように行なっているかご紹介します。

 コミケでは傾向の近いサークルが同じ日の近いエリアに配置されるように、サークル参加の申込み時に当日頒布する主な頒布物の概要を記入することになっています。特に、もとになる作品のある二次創作サークルについては、申込書の注意やコミケカタログの「配置担当者からの一言」で書き方が細かく説明されています。

コミックマーケット87ジャンルコード一覧

 たとえば何かの二次創作を頒布するのであれば、その元にしている作品(原作品)の名前を詳しく記入し、複数の原作品を扱う場合は(複数の本を出す場合も、同じ本の中で複数の作品が混在する場合も)その中で自分がメインとする(そのように配置して欲しい)原作品をいずれか書くこと、というように決められています。このため二次創作中心のサークルは、原則として一意にいずれかの作品のサークルとして申し込んでいることになっています。

 このような各サークルによる扱う原作品の意思表示には、コミケカタログに掲載されるサークルカット、準備会スタッフだけが見る非公開の頒布物概要とともに、ジャンルコードを使用します。

 ジャンルコードは多数ありますが。二次創作に関連してジャンルコードを見ると、大きく以下の3つに分けられます。

(1) もっぱらオリジナル作品を頒布するサークルしか申し込めないジャンルコード
(2) もっぱら二次創作を頒布するサークルしか申し込めないジャンルコード
(3) 二次創作かどうかとは別の基準のため、どちらの作品も存在するジャンルコード

 (1)に相当するのは「創作(少年)」「創作(少女)」「創作(JUNE/BL)」「オリジナル雑貨」のジャンルコードで、これらのジャンルコードでは二次創作のサークルは参加できません(既刊などは二次創作でも頒布はできます)。このため、こうした調査ではこれらのジャンルコードのサークルはチェックする必要がありません。

 (3)に相当するのは「創作・アニメ・ゲーム(男性向)」(通称「男性向」)や、「デジタル(その他)」「同人ソフト」「コスプレ」「ゲーム(電源不要)」「歴史・創作(文芸・小説)」「鉄道・旅行・メカミリ」「評論・情報」「学漫」などのジャンルコードです。

 これらのジャンルコードのサークルについては二次創作を扱うサークルと扱わないサークルが混在し、また扱われている作品も多様で、必ずしも作品毎にまとまって配置されてはいないため、個別に確認する必要があります。

 特に「創作・アニメ・ゲーム(男性向)」と「コスプレ」は二次創作のサークルが多数存在します。またジャンルコードとは別に混雑などの事情からジャンルとは関係なく配置される「ノンジャンル」というサークル群が存在し、こちらも二次創作を頒布するサークルが多いです。

 (1)(3)に該当しないほとんどのジャンルコードは(2)になります。マンガ・アニメ・ゲームなどの既存作品の二次創作のサークル、また作品とは違いますがアイドルや芸人などの人物に関するサークルは、どのような対象についての作品であるかによって「FC(少年)」「アニメ(その他)」「ゲーム(その他)」など作品の発表される媒体ごと(人物の場合は職業別)のジャンルコードで申し込まれます。

 どの作品のサークルはどのジャンルコードで申し込むかは、特に人気のある作品に関しては細かく決まっていて(ただし新しい作品などはわざと曖昧にしてる場合も多い)、それを間違えた申し込みは書類不備で落されることもあります。逆に言えば、(2)のジャンルコードの範囲で参加しているサークルについては、任意の作品で申し込んでいるサークルは、必ずその作品の対応するジャンルコードで参加していることになります。

 たとえば「アイドルマスター」シリーズは「ギャルゲー」に誘導されているため、そこさえ確認すればたとえば「FC(少年)」や「アニメ(その他)」を確認する必要はありません。

 もっとも実際は例外があり、「ゲーム(その他)」のゲーム評論の文脈でアイドルマスターを扱っているサークルがあったり、明確な誘導がなかったため今回「アイドルマスターSideM」のサークルが「ギャルゲー」と「ゲーム(恋愛)」の双方にいる、というようなことは起きています。詳細にすべてのサークルを見る必要はありませんが、基本的にはこれらのジャンルコードも大雑把には見ます。

 加えて「東方Project」「艦これ」「ヘタリア」「テニスの王子様」「銀魂」といった作品名そのままのジャンルコードも(2)に該当しますが、それぞれの二次創作のサークル以外は申し込めません。このためこれらのジャンルコードのサークルは例外なくそれぞれの作品のサークルとしてカウントできます。

 実際のカウントでは上記のような仕組みを利用し、まず紙のカタログに目を通して複数ページにわたって配置されているような作品に目星をつけ、「東方Project」等の作品名ジャンルコードはそのままチェック、そうでない作品は対応するジャンルコードのサークルを一通り見てチェック、それから(3)に該当するジャンルコードのサークルを一通り確認、その上で上記の例外のような抜けがないかを関連語句のキーワード検索などで確認した上で、各作品のチェックを集計しています。

 サークルがその作品に関するものかの確認は、原則としてはサークルカットに描かれたキャラクターや文字を中心に考えます。加えてそのサークルの配置場所や、DVD-ROMカタログの補足情報などもふまえて、総合的に判断します。

 なおこの作業は手作業であることもあり、キャラクターの認知など個人的な部分が影響しやすく、必ずしも正確とは言えません。必ず判断に迷う事例が出てきますし、(3)に該当する孤立したサークルなどは見逃しの可能性もあります。十分注意して作業したとしても、作業する人によって数字に数件程度のゆれは出てきます。数十件の大きな違いは出ませんが、数字そのものは参考程度にご覧ください。

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 以上がこちらの連載でコミックマーケットのサークル数をカウントするのに使用している方法です。過去の連載も同様の方法で調査しています。毎回とも、調査対象はその回のコミックマーケットの参加サークルだけです(抽選漏れのサークルは含みません)。

 自分の調査での作品毎のサークル数とは、こうした「コミックマーケットの申込み時にこの作品のサークルとして申し込んだと推定できる参加サークル」の数です。

 コミックマーケット87の場合、参加の申し込みは今年の8月中に行なわれているため、“2014年8月にコミックマーケット87に申し込んで参加している同人サークルがどのような作品に関する同人作品の頒布を予定していたか”が反映されている数字であり、逆に言えばそれ以外のものではありません。

 現在のものではありませんし、あくまでコミックマーケット内での参加の規模を見ているものです。コミックマーケットは比較的参加者の年代が高いこと、開催地の関係で関東圏の参加者の割合が多いこと、海外のサークルは参加しにくいなどの偏りがあり、同人サークル全体の傾向を示すものでもありません。

 上記のような事情もありますが、コミックマーケットは最大の同人誌即売会であることから、一定の参考になると評価してご紹介しています。上記をふまえてご覧ください。

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