PCでのソフトのインストールや設定が難しいという人
ネットワークプレーヤーを買え!
PCオーディオが注目は集めつつも、爆発的に普及しにくいのはこうした設定などが少々やっかいで、PCが苦手な人には敬遠されがちだから。
これをもう少し便利にしたのが、ネットワーク経由でデジタル信号を受け取り、再生を行なうネットワークプレーヤーだ。
PCなどの情報機器とAV機器との間でデジタル情報をやりとりする規格である「DLNA」に対応し、PC、またはNASにある音楽ファイルをネットワーク経由で再生する。
ネットワーク接続のための設定やファイルの共有設定など多少知識が必要になるが、PCオーディオよりはハードルは低いと言える。
専用のネットワークプレーヤーも存在するが、AVアンプの多くがハイレゾ対応のネットワークプレーヤー機能を搭載している。機能的にはほぼ同等となるので、AVアンプを使ったサラウンド再生などを楽しみたいという人にとっては、一緒にハイレゾ再生もできるのでお得だ。
残念ながら、スマホやBlu-ray Discレコーダーの多くもDLNAクライアント機能を持つが、ハイレゾ再生にまで対応した機器はほとんどない。
例外的なところでは、パナソニックのBDプレーヤー「DMP-BDT330」(実売価格1万5000円前後)がハイレゾ対応のネットワークプレーヤー機能を備えており、一緒にBD再生ができるのが魅力。
同社はこのほかにもハイレゾ対応のミニコンポ「SC-PMX9」(実売価格4万7000円前後)なども発売している。これならば、ネットワーク接続するだけで、アンプやスピーカーもセットになっているので、かなり簡単にネットワーク経由のハイレゾ再生を楽しめる。
もっと簡単にハイレゾ再生を!
ハイレゾ音源を収録したBDソフトも登場
先ほどはBDレコではハイレゾ再生ができないと書いたが、それはネットワーク経由のDLNA再生に限った話。BDソフトは「ドルビーTrue HD」や「DTS-HD Master Audio」といったロスレス圧縮フォーマットを採用しているが、これらはともに192kHzまでのハイレゾ音源もサポートしている。
しかも、最大7.1ch(192kHzは5.1ch)のサラウンド再生も可能だ。ハイレゾ音源といっても普通のBDソフトなので、ディスクを入れてソフトを再生すればハイレゾ音源の再生が可能。これは現在のところ最も簡単なハイレゾ再生の方法でもある。
BDレコやBDプレーヤーができるということは、「PlayStation 3」でも再生できるということだ。PCのインストールや設定、ネットワーク設定でもめげてしまった人でも、これならば簡単だろう。
問題は、ハイレゾ音源を収録したBDソフトが少ないことだが、実は海外ではハイレゾ音源をBDソフトで発売しているケースは多く、「2Lレーベル」などでクラシックの楽曲が発売されている。
このほか、国内でも「ブルーレイオーディオ」という名称で、音楽用BDソフトの発売が始まっており、パッケージメディアとしてのハイレゾ音源ソフトとして注目されはじめているのだ。
ハイレゾ音源を楽しむ方法はいろいろあるということの一例を紹介したわけだが、逆に言えば、ハイレゾを楽しむ環境はこんなに充実しているということでもある。PS3とBDミュージックソフトなら、ほとんどの人がソフトを買うだけではじめられる。
ちなみに、PS3はDSD再生も可能(PCを使ってDVD-RにDSD音源を記録し、DSDディスクを作成する必要はあるが)。ハイレゾやらDSDやら何か難しそうというイメージは、ほとんどなくなるのではないだろうか?
興味があればソフト代だけの最低限の出費で今すぐ始められる手軽さもハイレゾの魅力なのだ。
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