画質設定によって差が開いた
「バトルフィールド3」
重量級FPSの代表格であり、NVIDIA最適化タイトルの代表として、「バトルフィールド3」でも測定した。このタイトルはベンチマークモードがないので、「COMRADES」ステージの冒頭で流れる、車を運転するリアルタイムデモ開始から120秒間のフレームレートを「FRAPS」で測定した。解像度はフルHDで、画質設定は「最高」と「高」の2段階だ。
こちらは画質設定による性能差が大きく分かれることとなった。最高画質では平均フレームレートで24%アップ、最高フレームレートでは26%アップとかなりの性能向上率となっているが、画質「高」では平均フレームレートでも5%アップと奮わず、もはやこの程度の描画負荷では他がボトルネックとなっていることを想像させる結果だ。
ただし、実際にプレイする際には最高画質に設定するであろうから、その意味では十分有意な伸び率があると言えそうだ。
消費電力は高負荷時増大するも
ワットパフォーマンスは改善
最後に消費電力のチェックに移ろう。今回は、おなじみサンワサプライの「ワットチェッカー」を使い、システム起動後10分後のアイドル時と「3DMark」のFire Strike Extremeテストでの最高値を計測した。
まず注目したいのは、アイドル時の電力においてGTX780がGTX680より低い点。これはTITANでも見られた傾向であり、GK110チップでの改良点と言えるところだ。ただし一転し、高負荷時は約50Wアップと、公式のTDP差に近い上昇率でとなり、ここもTITANに近いところだと感じさせる。
ただ、電力効率という点からすると、消費電力の上昇率は約18%のみ。性能は先述したように38%のアップなので、電力効率に関しては680より向上している。電力効率の向上は細かなアーキテクチャーの改良なしでは難しそうな点を考えると、“GK110はKepler 2.0”という論説も一定の説得力がありそうだ。
なお、GTX780のGPU温度を評価キット付属の「EVGA Precision X」を使用してモニターしたところ、室温25度の状態で、アイドル時32度、3DMark Fire Strike Extreme実行中の最高でも80度にキープされていた。これはTITANのリファレンスカードとほぼ同じ結果と見ていいレベルで、やはり冷却性能は優秀なようだ。
なお筆者の主観が入るが、高負荷時のファン動作音は、GTX680よりは少し小さく、TITANと同レベル程度。こちらも十分優秀と考えていいレベルだ。
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