Core i7とSSDで性能も高い
バッテリー駆動時間は6時間程度
ENVY 14 SPECTREの性能面も見ていこう。冒頭で述べたとおり、ENVY 14 SPECTREは直販のHP Directplusモデルと量販店モデルでスペックが若干異なる。
HP Directplusモデル | 量販店モデル | |
---|---|---|
CPU | Core i7-2677M(1.80GHz) | Core i5-2467M(1.60GHz) |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 128GB |
ストレージ容量は2倍の差があるが、使用感を大きく左右するほどの性能差はないので、量販店モデルでも問題なく使えるだろう。HP DirectplusモデルのWindowsエクスペリエンスインデックスは以下のとおり。「グラフィックス」の値が低いのはCPU内蔵機能ゆえにどうしようもないが、Ultrabookで重要な「プロセッサ」「メモリ」「プライマリハードディスク」の値は6.1~7.2と優秀である。
2011年に登場した同世代のUltrabookと性能を比較してみた。まず総合ベンチマークテスト「PCMark 7」のスコアは以下のとおり。比較対象にはASUSTeK「ZENBOOK UX31E」とAcer「Aspire S3」を選んだ。
細かい差はあるが、総合性能ではENVY 14 SPECTREが僅差でトップとなった。細目を比較してみると、ストレージ性能では劣るがCPU性能で挽回、といった傾向が見られた。この点はストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark」の結果からもうかがえる。ここではUX31Eの代わりに、同じASUSTeKの「ZENBOOK UX21E」のスコアを使用している。リード性能では劣るが、ライト性能はZENBOOK並みと言えそうだ。
気になるバッテリー駆動時間だが、公称値は約9時間30分となっている。バッテリー性能計測ツール「BBench」※1を用いて、無線LANを使用しながらのウェブブラウジングを想定した駆動時間を測定してみた。比較対象はAspire S3で、ENVY側はHPによる標準設定を使用した。
※1 巡回するウェブサイトは現状に合わせて、標準設定から変更している。
結果は約5時間55分で、ほぼ6時間となった。公称値の6割程度で、ほぼ相場の性能と言えようか。バッテリーは内蔵式でユーザーによる交換は考慮されていないため、まる1日バッテリーだけで使うというのは難しいものの、外出中に使用する程度なら問題なさそうだ。
★
高解像度で広い画面と充実した性能、Ultrabookとしては重めな点を考慮すると、ENVY 14 SPECTREは常時持ち歩くサブマシン的モバイルマシンというよりも、1台でほとんどの作業をこなして時々持ち歩くメインマシン的なノートパソコンを求める人に向いた製品と言えそうだ。
ただ、返す返すも残念なのは英語キーボードのみという商品構成だ。英語キーボードに慣れていない人が、デザインで気に入って気軽に買う、というのはお勧めしかねる。今からでも遅くはないので、日本語キーボードモデルの商品化を望みたい。
HP ENVY 14 SPECTRE(HP Directplusモデル)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i7-2677M(1.80GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | CPU内蔵 |
ディスプレー | 14型 1600×900ドット |
ストレージ | SSD 256GB |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 3.0 |
インターフェース | USB 3.0×1 USB 2.0×1、2in1メディアスロット、HDMI出力、mini DisplayPort出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅327×奥行き221×高さ20~23mm |
質量 | 約1.83kg |
バッテリー駆動時間 | 約9時間30分 |
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit版 |
価格 | 15万9810円から |
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