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MacPeople編集長は見た—「スティーブ・ジョブズ」の軌跡
2011年10月03日 22時00分更新
── 小冊子の中身はどんな感じなんでしょうか?
吉田 基本的には、MacPeopleやMacPowerで掲載した基調講演のレポートと、大谷和利さんがいくつか書かれたアスキー新書の本から流用して再構成してます。美味しいとこ取りでまとめてるので、ジョブズがアップルを作ってから退職し、NeXTを創設、そしてアップル復活からCEOを辞めるまでといった一連の流れが分かりますし、経営哲学にも触れています。
── 過去のジョブズの写真が満載ですね。
吉田 時系列でまとめてます。ジョブズだけでなく「iMacが発表された」とか「ここでiPhone出たんだな」といった、アップルプロダクトの流れとかも分かるという。一番ページを割いたのが1997年のMacworld Expo/ボストンですね。ここでマイクロソフトとの提携を発表した。当時は批判的な意見も多かったんだけど、それが今のアップルのスタートラインになっている。そうした協力体制を築いた一方で、新OSを発表したときには強烈にWindowsを皮肉ったりしてる。そういう変化が1冊で見れるのが面白いよね。
── お、Macworld Expo 2002も載ってる。懐かしい……。EGWORDがヒラギノフォントの2万文字に対応っていうのが発表された回ですね。俺、会場にいたかもしれません。
吉田 俺もいたよ。エルゴソフトのCEOで、当時コーエーグループの会長だった襟川陽一さんがステージに出てきたんだよね。
── アップルは元々コンピューターの会社だったのに、iPodやiPhoneの隆盛でまるで違うタイプの会社になっているというのもすごいですよね。最近iPhoneを買ってアップルファンになった人が読むと、ルーツをさかのぼれるのでいいかも。
吉田 個人的な話なんですけど、ちょうど私がアスキーに入ったのが1995年の2月で、1年後にジョブズが復活したので、かなりアップルの成長と自分の人生が重なるんですよ。感慨深いものがありますよね。いったんアップルを辞職するまでの若かったときのジョブズは、実際そんなに記憶になくて、リアルに自分で分かってるのはジョブズがアップルに復帰してからなんですよね。もちろん失敗もしてたけど、そこからぐいぐい成長していくという。
── 失敗といっても、結構打率は高いかと思いますよ。
吉田 そうだね、出してるプロダクトの7割は当たっているよね。めぼしい失敗って、Power Mac G4のQuickSilverとか?
── そうでしたっけ?
吉田 なんか不具合が多かったんだよ。あとは「Power Mac G4 Cube」とか、FlowerPower(フラワーパワー)やBlue Dalmatian(ブルーダルメシアン)のiMacとかね。12インチPowerBook G4も失敗に入るかもしれない。ソフトウェアだったらMobileMeぐらいかな? でも致命的な失敗にならないうちに、やめたり別のプロダクトに置き換えてる。いい感じで来てますよね。読者の方から、小冊子は電車の中で読むのにちょうどいいサイズだという意見もいただいてるので、ぜひ読んでください。
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