Llanoは短命?
次世代コアベースのTrinityへ移行
これに続く製品であるが、まずLlano系列では10~11月を目処に、もう少し動作周波数を引き上げた製品を予定しているようだ。といっても、周波数の上がり方は残念ながら小幅で、基本は1段(100MHz)程度引き上げただけとの話だ。下位のA4/E2ではTDPの枠にかなりゆとりがあるので、もう少し引き上げ幅が大きくなる可能性はあるが、このあたりはAMD自身がまだ決めていないようだ。
その先はというと、少なくともAMDとしては次世代の「Trinity」に移行することを想定しているようで、Llanoの動作周波数をさらに引き上げることは考えていないようだ。ただし、これはTrinityがどこまでスムーズに立ち上がるかに依存する。TrinityはLlanoと同じ32nmプロセスで製造されるが、CPUコアが「Stars」コア(Phenom II)ベースの「Husky」から、「Bulldozer」ベースの「Piledriver」に切り替わる。GPUももう少し強化されると見られている。
パッケージそのものも互換(厳密に言えば「FM1 Revision 2」という話)なので、このあたりはスムーズに移行できるはずなのだ。しかし、Trinityの投入が遅れた場合には、もう一段周波数を引き上げたLlanoを中継ぎで投入する可能性はあるだろう。TDPの枠を考えれば、動作周波数は3.1GHzあたりがおそらく上限になると見られており、これを超える製品は出てこないであろう。
ローエンド向け製品についても触れておこう。ディスプレー一体型PC向けに、現在は「E-350」がリリースされているが、これの後継として「E-450」が投入される模様だ。
ただし、定格動作周波数はほとんど変わらず、Turbo BoostテクノロジーのAMD版である「Turbo CORE」を適用することで、若干動作周波数の引き上げを可能にした程度の差となる。EシリーズはTDPが18Wとかなり厳しいので、低消費電力の「Bobcat」コアであってもそうそう動作周波数を引き上げるわけにはいかないようだ。
BulldozerコアのAMD FXは8月に登場?
Trinityに先立ち、2011年8~9月(8月末という説が優勢)に投入されるのが、Bulldozerベースの「AMD FX」プロセッサーである。
ハイエンドの8コア製品「FX-8150」はTDP 125Wであるが、これは言うなればインテルの「Extreme Edition」製品に対抗するための枠にすぎない。一般向けはやや動作周波数を抑えて、TDPも95Wとなる。動作周波数はまだ現時点で明らかにされていないが、FX-8150が3.8GHz/4.2GHz、「FX-8100」が3.6GHz/4GHz(通常時/Turbo CORE最大時)となるようだ。6コアの「FX-6100」、4コアの「FX-4100」に関しては、差別化のために若干動作周波数を落としたものになるとみられる。
AMD FXは全製品が周波数ロックフリーとなるようなので、こうした定格の数字にどこまで意味があるのかは、ちょっと微妙なところではある。またAMD FXのコアが実際には何種類あるのかも、現時点ではまだわかっていない。ハイエンドの8コア向けダイの一部を無効化する形で6/4コア製品を出すことも可能だし、8/6コアは共通にして4コアのみ別ダイにするといった案もある。
いろいろ方法はあるが、このあたりは需要の動向と製造する米GLOBALFOUNDRIESの生産能力次第になる。当初はおそらく歩留まりを高めるために、複数のダイを作り分けることはしないはず。そのため、ほぼ全量が8コアになるだろうとは予想できる。
このAMD FXも2011年中にもう一度アップデートがある。11月頃では?というのがもっぱらの評判であるが、このタイミングでハイエンドとなるFX-8170はついに定格4GHzに達する、という説が濃厚である。これにあわせてFX-8100/6100/4100も少しずつ動作周波数を上げたFX-8120/6120/4120が出てくる模様だ。
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