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最新パーツ性能チェック ― 第113回

期待の新星、デスクトップ版APU「AMD A8-3850」を試す

2011年06月30日 13時01分更新

文● 池座 優里

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 27日に対応チップセットが発表され、登場が期待されていたAMDのデスクトップ版Fusion APU「AMD A」シリーズが、30日にAMDから発表された。

開発コードネーム“Llano”こと、デスクトップ版Fusion APU「AMD A」シリーズ。写真は最上位モデルの「AMD A8-3850」

 既にモバイル向けのEシリーズやCシリーズ、ノートPC向けのAシリーズが発表されているが、デスクトップ向けとしてはAMD初のCPU/GPU統合プロセッサである。消費電力の制限を受けないデスクトップPC向けのAシリーズということで、その性能にも期待がかかる。そこで、今回は最上位モデル「AMD A8-3850」を使って“Llano”の性能をチェックしていきたい。

Phenom II相当のCPUコアと
Radeon HD 5600相当のGPUコアを
1つに統合したFusion APU

 デスクトップ向けAシリーズは4コアのCPUコアとミドルレンジクラスのGPUコアを統合したFusion APUで、新たにAMDのデスクトッププロセッサのミドルレンジ帯をカバーする製品だ。内部構造は既に発表されているノートPC向けと大きな違いはないが、ノートPCに比べてTDPに余裕があるためCPUコア、GPUコアともクロックが大幅に向上しているのが特徴となる。

デスクトップ向けAMD AシリーズのプラットフォームAMD Aシリーズのブロックダイアグラム。CPUコアとしてStarsコアを4基搭載し、APUの約半分をGPUコアが占めている

 Aシリーズに搭載されているCPUコアは、Phenom II系のコア「STARS」を改良し、32nmプロセスにシュリンクしたものだ。L2キャッシュは各コア1MBずつとPhenom IIの倍になっている一方で、L3キャッシュは搭載されていない。なお、Phenom IIのTモデルに搭載されている、負荷によって動的にクロックを変更する機能「Turbo CORE」をサポートするモデルが今回も用意されている。

デスクトップ版AMD Aシリーズスペック
モデルナンバー A8-3850 A8-3800 A6-3650 A6-3600
開発コード Socket FM1
コア数 4
動作クロック 2.9GHz 2.4GHz 2.6GHz 2.4GHz
TurboCore時クロック - 2.7GHz - 2.1GHz
L2キャッシュ 1MB×4
内蔵GPU Radeon HD 6550D Radeon HD 6530D
TDP 100W 65W 100W 65W
AMD Aシリーズのグラフィックエンジン「Sumo」のダイアグラム

 GPUコアには4基のRadeon Coreと1基のSpecial Function Radeon Coreを搭載した「Sumo」コアを採用。こちらはRadeon HD 5600シリーズの「Redwood」コアをベースにUVD3対応などの改良を加え、32nmプロセスにシュリンクした物と考えていいだろう。
 上位版となるAMD A8シリーズのGPUコアはシェーダプロセッサ数400基、GPUクロックが600MHzのフルスペック版「Radeon HD 6550D」。ミドルレンジのAMD A6 シリーズはシェーダプロセッサ数320基、動作クロック443MHzに制限した「Radeon HD 6530D」が搭載されている。

AシリーズのGPUコアと競合製品の主なスペック
  AMD A8
(Radeon HD 6550D)
AMD A6
(Radeon HD 6530D)
Radeon HD 6670 Radeon HD 6570 Radeon HD 5670
製造プロセス 32nm 40nm
シェーダプロセッサ数 400 320 480 480 400
テクスチャユニット数 20 16 24 24 20
ROP数 8
GPUクロック 600MHz 443MHz 800MHz 650MHz 775MHz
Universal Video Decoder UVD3 UVD3 UVD3 UVD3 UVD2

 また、これまでのGPU統合型チップセットと同じく「Dual Graphics」(いわばCrossFire)にも対応する。AシリーズではRadeon HD 6670/6570/6450と内蔵GPUを組み合わせることでグラフィック性能をさらに向上させられる。

内蔵GPU側にディスプレイケーブルを差した状態で、PCI Expressスロットに対応のビデオカードを接続するとCatalyst Control Centerに「CrossFireを有効にする」チェックボックスが表示される

 そのほか、メモリコントローラは最大DDR3-1833のデュアルチャネルに対応し、最大4DIMMまでをサポート(ただしDIMMを4枚搭載する場合はDDR3-1600までの対応)。
 組み合わされるチップセットは「AMD A75」と「AMD A55」の2種類が用意されており、PCI Express(x4)相当の専用バスUnified Media Interface(UMI)でFusion APUと接続される。チップセットの詳細については「AMD、新チップセット「AMD A75/A55」を発表」で詳しく触れているので併せて参照していただきたい。

ベンチマークテストにて「AMD A8-3850」の性能をチェック

 ここからは実際にベンチマークで「AMD A8-3850」の性能をチェックしていく。今回は、比較対象としてIntel、AMDのそれぞれの統合GPU環境として「Intel Core i5-2500K」(3.3GHz)(以下2500K)と「Phenom II X4 965 BlackEdition(3.4GHz)」(以下965 BE)+「AMD 890GX」をそれぞれ用意した。テスト環境は以下の通りだ。

今回検証に使用した最上位モデル「AMD A8-3850」(2.9GHz)。OPNを確認すると「AD3850WNZ43GX」となっている
「Fusion APU」テスト環境
CPU 「AMD A8-3850」(2.9GHz)
マザーボード GIGABYTE「GA-A75-UD4H」(AMD A75)
メモリー A-DATA「AD3U1333C4G9-2」(DDR3-1333 4GB×2)
HDD Seagate「Barracuda 7200.10 ST3500418AS」(500GB/SATA2)
光学ドライブ LITEON「DH-20A3S」
電源 Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)
「Core i5-2500K」テスト環境
CPU 「Core i5-2500K」(3.3GHz)
マザーボード ASRock「H67M-ITX」(Intel H67 Express)
メモリー A-DATA「AD3U1333C4G9-2」(DDR3-1333 4GB×2)
HDD Seagate「Barracuda 7200.10 ST3500418AS」(500GB/SATA2)
光学ドライブ LITEON「DH-20A3S」
電源 Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)
「Phenom II X4 965 BlackEdition + AMD 890GX」テスト環境
CPU 「Phenom II X4 965 Black Edition」(3.4GHz/125W版)
マザーボード ASRock「890GX Extreme 3」(AMD 890GX)
メモリー A-DATA「AD3U1333C4G9-2」(DDR3-1333 4GB×2)
HDD Seagate「Barracuda 7200.10 ST3500418AS」(500GB/SATA2)
光学ドライブ LITEON「DH-20A3S」
電源 Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)
CPU-Z 1.5.7によるAMD A8-3850のステータス。最新プロセッサということで一部のステータスしか取得できていないGPU-Z 0.5.3によるAMD A8-3850のGPUコアのステータス。モデル名は仕様通り「AMD Radeon HD 6550D」となっている

(次ページへ続く)

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