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最新パーツ性能チェック ― 第130回

AMDの新APU“Trinity”のグラフィック性能を検証する

2012年09月27日 13時01分更新

文● 加藤 勝明

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 来たる2012年10月2日、AMDはデスクトップ向けGPU内蔵CPU「AMD AシリーズAPU」のラインナップを、開発コードネーム“Trinity”ベースの製品へアップデートする。

AMDが発表した新設計のデスクトップ向けAPU「AMD A」シリーズ。開発コードネームは“Trinity”

 価格の手ごろさに加え、内蔵GPU性能の高さで話題を集めた製品の後継だけに市場でも期待は高まっているが、今回の新APUの発売に先立ち、内蔵GPUを使ったゲーム系ベンチと消費電力のベンチのみ先行公開できることとなった。編集部で入手した評価キットを元に、早速レビューしてみたい。

モデルナンバーは「A○-5xx0」に、内蔵GPUも7000番台へ

 まずは第2世代AシリーズのAPU(以降これをTrinityと呼ぶ)の情報を整理してみよう。Trinityは昨年から発売された第1世代のAシリーズ APU(開発コード「Llano」)を置き換えるものだ。Llano世代の製品には“A○-3xx0”というモデルナンバーがついていたのに対し、Trinityでは“A○-5xx0”と、5000番台の番号で識別される。
 製造プロセスはLlanoと同じ32nm、アーキテクチャはBulldozerコアを効率化した“Piledriver”を使い、下位2モデルを除き物理4コア版が主力となる。動作クロックはLlanoが定格3GHz(A8-3870Kの場合)までだったが、Trinityでは最高3.8GHz、さらにTurbo Core時に4.2GHzまで上がるなど、動作クロック的にもかなりの強化になっている。
 以下にAMD資料から判明した各モデルのスペックを示す。なお、価格は本記事がアップされる9月27日時点では非公開扱いとなっている。

CPUスペック
モデルナンバー A10-5800K A10-5700 A8-5600K A8-5500 A6-5400K A4-5300
CPUコア数 4 4 4 4 2 2
CPUベースクロック 3.8GHz 3.4GHz 3.6GHz 3.2GHz 3.6GHz 3.4GHz
ターボ時クロック 4.2GHz 4.0GHz 3.9GHz 3.7GHz 3.8GHz 3.6GHz
キャッシュ搭載量 4MB 4MB 4MB 4MB 1MB 1MB
搭載GPU Radeon HD 7660D Radeon HD 7660D Radeon HD 7660D Radeon HD 7660D Radeon HD 7540D Radeon HD 7480D
ストリーミング
プロセッサ数
384 384 256 256 192 128
GPUクロック 800MHz 800MHz 760MHz 760MHz 760MHz 723MHz
TDP 100W 65W 100W 65W 65W 65W

 今回注目したいのは内蔵GPUの型番。第1世代の製品には「Radeon HD 6550D」など、HD 6000番台の型番が付いているのに対し、Trinityでは最新のHD 7000番台に更新されていることだ。 ただこのHD 7000番台という型番を鵜呑みにはできない、ということだ。考えてみれば、HD 7000番台のGPUは28nmプロセスで製造され、アーキテクチャはGCN(Graphics Core Next)であるはずだが、Trinityは前述の通り32nmプロセスでCPUコアと統合され、さらにAMDの資料によるとアーキテクチャは「VLIW4」となっている。
 つまるところ、HD 6000世代の設計をそのままHD 7000番台として付けたもの、ということになる。考えてみれば、今年5月に先行して登場していた「モバイル版Trinity」でも、GPUコアはHD 6000番台だった。今回のデスクトップ版Trinityも、同じ設計になっていると考えるのが妥当だろう。

チップセットはA85に
ソケットも変更される

 Trinityに対応するチップセットは新開発の「A85」のほか、既存の「AMD A75/A55」が利用できる。しかしTrinityのソケット形状は新しい「Socket FM2」が採用されており、Llano世代で使われていた「Socket FM1」とはまったく互換性がない。

Trinityのソケット形状は「Socket FM2」。Llano世代で使われていた「Socket FM1」とは互換性がない

この改変の理由は、Trinityの電源管理機能を強化するため、電源供給の設計を大きく変えざるを得なかったためだ。具体的な設計面の差異は不明だが、後ほど消費電力テストで実力を見ることにしよう。
 ただ、ユーザーの目から見れば、Socket FM1仕様のA75マザーはTrinityでは使えないというのは何とももどかしいのも事実。マザー買い替え価格とセットで考えなければならないのが残念だ。

Socket FM2(左)とFM1(右)のピン配列を比較すると、中央あたりのピン配列が微妙に異なることがわかる。中央にある黄金の▼マークの位置関係と比較するとわかりやすい。ピン数もFM1より1本少ない904本で構成されている
チップセットのスペック
チップセット A85 A75 A55
PCI Express構成 1x16/2x8 1x16 1x16
CrossFire対応 × ×
SATA構成 6Gb/s×8 6Gb/s×6 3Gb/s×6
FIS-based Switching ×
USB 3.0 4 4 0
USB 2.0 + 1.1 10 + 2 10 + 2 14 + 2

Trinityに対応したチップセットは3種類。A75/A55はLlano世代から存在するが、Socket FM2を装備していないとTrinityでは使えない点に注意したい。FIS-based Switchingとは、SATAのポートマルチプライヤーにおける方式なので、一般ユーザーにはあまり関係ない。

Trinityの発売と同時に、Socket FM2対応マザーが各社から発売される予定だ。写真はASUSTeK製Micro ATXマザー「F2A85-M PRO」
こちらはSocket FM2対応のMSI製ATXマザー「FM2-A85XA-G85」

※お詫びと訂正:記事初出時、チップセットのスペック表の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。(2012年9月27日)

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