そのほか、使い勝手では液晶ディスプレーのバックライト輝度を自動調整する機能や、バッテリーそのものの寿命を延ばす「いたわり充電」機能などがある。
価格の割にパフォーマンスは良好
試用機の構成は、CPUにCore i3-2310M(2.10GHz)、メモリー2GB、320GB HDD(5400rpm)、DVDスーパーマルチドライブ、1366×768ドットディスプレーなどで、最小構成のものである。Windowsエクスペリエンスインデックスは「5.3」(グラフィックス)、最高がCPUの「6.4」である。
総合ベンチマークプログラム「PCMark Vantage」によるベンチマークテストの結果は、トータルが「4695」。Sandy Bridge搭載機としては物足りない感じがするのだが、スペック構成と価格帯を考えれば、コストパフォーマンスは十分に高いと言える。
PCMark Vantage 32bitのスコア | |||
---|---|---|---|
PCMark | Memories | TV and Movies | Gaming |
4695 | 3302 | 3378 | 3684 |
Music | Communications | Productivity | HDD |
4036 | 4187 | 3760 | 3088 |
ご承知のとおり、VAIO Cが採用するCPUの第2世代Coreプロセッサーは、グラフィックス機能「Intel HD Graphics 3000」(以下HD 3000)を内蔵している。このHD 3000は、インテルの内蔵グラフィックスとしてはなかなか高性能だ。それに比べると、VAIO C内蔵のGPUであるRadeon HD 6470M(ビデオメモリー512MB)は、ベンチマークで見る限り性能はパッとしない。原因のひとつには、メモリーが2GBという最低構成という理由があるだろう。
それにしても、DirectXで描画して独立GPUを使うはずの「Gaming」の値が、この程度というのは不可解だ。こちらの記事にある「LIFEBOOK SH76/C」は、Core i5-2520M(2.50GHz)内蔵のHD 3000を使用しているが、Gamingの値は「3735」となっている。ローエンドGPUである6470Mでは、HD 3000と性能面で大差がないということだろうか。
★
家庭内でのライトユースを想定していると思われるVAIO Cでは、操作をできるだけ簡略化して「パソコンそのものを楽しんでもらおう」と言うコンセプトらしい。外観デザインにもそれが見てとれる。
実際に使ってみると、さすがに最小構成のメモリー2GBでは、操作の端々にもたつきを感じる。せめてメモリーは4GBにするなど、最小構成よりは上の構成を考えたいところだが、高コストパフォーマンスの最小構成で気軽に使うのも悪くはない製品だ。
VAIO C 14型(VPCCA1AHJ、試用機構成)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i3-2310M(2.1GHz) |
メモリー | 2GB |
グラフィックス | Radeon HD 6470M |
ディスプレー | 14型 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 320GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1 |
インターフェース | USB 3.0×1、USB 2.0×3、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅341×奥行き235.2×高さ27.9~36.2mm |
質量 | 約2.45kg |
バッテリー駆動時間 | 約3~3.5時間 |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit版 |
価格 | 6万4800円から(4月22日までのキャンペーン価格) |
筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
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