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痛車でラリー! メロンブックスインテ2年目の挑戦 第1回

めろんちゃんに強力なライバルが!?

メロンブックスラリーチャレンジが2011年の体制を発表!

2011年02月26日 15時00分更新

文● 中村信博

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あの名門チームが痛車で参戦!
まさかの超強力なライバルに!

 さて。今年の全日本ラリー選手権JN-3クラスには、われわれにとって間違いなくライバルとなるだろうチームが参戦することになっている。群馬県に本拠をかまえるパーツメーカー「キャロッセ」。かつてはSUPER GTにも参戦していた日本モータースポーツ界のビッグネームが、今年から全日本ラリーに復帰することになったのは、モータースポーツファンならご存知の通り。

 ところが2011年新春、東京オートサロンで行なわれた「2011年度 CUSCOモータースポーツ活動発表会」において、実は本隊ともうひとつ、CUSCOジュニアラリーチームというサテライトチームも全日本ラリーに参戦することを正式発表。このジュニアチームが、なんとわれわれと同じくキャラクターを背負って全日本ラリーを走ることになったのだ!

 そのキャラクターとは、今回新たに描き起こされたというキャロッセのコーポレートキャラクター「高崎くす子」。このキャラクターをマシンカラーリングに取り入れて全日本ラリーに出場するというから、これはウチとまったく同じコンセプトじゃないか!

CUSCOジュニアラリーチームのマスコットキャラクター「高崎くす子」。山の神オオヤマツミの娘で、群馬の山の神という設定があるのだとか!

 CUSCOジュニアラリーチームが投入してくるマシンは、マレーシアの自動車メーカー「プロトン」が生産した排気量1600ccのハッチバック車「サトリア・ネオ」。今年、キャロッセはこのサトリア・ネオをモータースポーツユース中心に輸入販売することを考えていて、そのプロモーションの一環として全日本ラリー選手権へと出場することになったのだ。

 プロトンのサトリア・ネオは、どことなく三菱のミラージュに似ているクルマだ。それもそのはず、プロトンは三菱のOEM車両を長く生産していて、このサトリアもかつては三菱ミラージュの現地生産車両だったのだ。現在のサトリアはプロトン独自開発のクルマだけれど、それでも細部にミラージュの影響が色濃く残っている。

全体のアウトラインは三菱ミラージュに似ているが、がっつり張り出したフェンダーが迫力満点で、デザインもすごくカッコイイ。ちなみにこのカラーリングはCUSCO本隊チームのもので、今年度のキャロッセはCUSCO本隊で1台、ジュニアチームで2台の、計3台ものサトリア・ネオを投入してくる予定

 排気量1600ccで113馬力という数字は、今の日本の自動車の観点から見ればおとなしそうに映るけど、この数字は東南アジア原油を使ったガソリンでの数字。日本で使われている、アラビア原油から精製したオクタン価の高いガソリンなら、もう少し馬力を稼げるはずだ。当然エンジンの制御コンピュータにも手が入るだろうし、おそらく120馬力に近い数字は出せるんじゃないだろうか。

キャロッセが開発したサトリア・ネオ用のFIAグループNホモロゲーションパーツが、ふんだんに使われている。そのまま海外ラリーイベントにも参加できる仕様なのだとか

サトリア・ネオに搭載されているエンジンは、独自開発の直4・DOHC1600ccの「CamPro」エンジン。マレーシア現地での計測で113馬力で、車重は1150kgほどというからパワーの割に少々重いようだ

 1月末、栃木県のダートラ場で開かれた試乗会に参加した関係者の話によると、見た目以上にダートでの走破性が高く、非常に将来性を感じさせるクルマだったとのこと。路面の摩擦係数が低いグラベルロードでは、馬力が高くても空転するだけで、たとえ馬力が低くても適正なトラクションを稼いだほうが結果的に速い、というケースが往々にしてあるのだ。そして、道路状況が悪いマレーシアの国民車であるサトリアだからこそ、元々グラベルロードに対する適性が高いという理由もあるだろう。

広いダートラ場を駆けめぐる、ラリー仕様のサトリア・ネオ。試乗した関係者は、一様に足周りの良さとボディ剛性の高さを評価していて、すでにかなりの完成度まで到達していることがわかる

 そしてCUSCOジュニアラリーチームも当然その適性を熟知していて、全日本ラリーでの参戦数はわれわれと同じ6戦だが、出場するイベントは特にグラベルイベントに偏ったカレンダーとなっている。ターマックでは負けることを見越して最初から参戦数を減らし、そのぶん係数的に有利なグラベルイベントに参加して、最終的に総合ポイントでわれわれを上回ろうという計画に違いない。

 CUSCOジュニアラリーチームの監督は、かつて「ASCII.jp×エボマガランサー」でWRCのラリージャパンに参戦した、松井 悠氏(関連記事)。電話では「メロンブックスを絶対に倒す! 絶対にだ!」と猛烈に息巻いてるし、全日本ラリー選手権を舞台とした、メロンブックスラリーチャレンジ vs CUSCOジュニアラリーチームの激突は、すでに火花バチバチで激化必至の状況だ!

 ということで、ウチに加えてもうひとつ痛車チームが参戦することになり、がぜん注目が集まる全日本ラリー選手権2011。今年お送りしていく記事は、メロンブックスラリーチャレンジとCUSCOジュニアラリーチーム、双方の戦いの模様をできるかぎり追っていこうと思っているので、シーズン最後までお付き合いのほどよろしくです!

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