Slingbox PRO-HDでスカパー!HDをどこでも視聴
Slingbox PRO-HDはHD放送用テレビチューナーを内蔵していない。そのためHD放送やそのほかのHD映像を見たければ、テレビチューナー内蔵のHDDレコーダー(以下DVR)や衛星放送チューナー、CATVチューナーといった機器との接続が必要になる。例えば地上デジタル放送を見たければ、地デジチューナー内蔵DVRとD端子~コンポーネントビデオ端子変換ケーブルを使って接続するのが、一般的な使い方になるだろう。
記者の自宅の場合は少々環境が特殊で、地デジの録画は東芝レグザのLAN HDD録画機能を利用しているため、地デジ対応DVRは持っていない(レグザ側もHD映像での地デジ出力機能を持っていない)。もっとも、最近では地デジはほとんど見なくなり、もっぱらテレビ視聴と言えば「スカパー!HD」オンリーである。そのため今回は、スカパー!HD用のチューナー内蔵DVR「TZ-WR320P」と接続して、スカパー!HDを遠隔視聴する環境を構築してみることにした。
相手がスカパー!HD対応DVRと言っても、接続の手順や使い方には特に違いはない。TZ-WR320P側のD出力端子と、Slingbox PRO-HD側のコンポーネントビデオ入力端子を付属の変換ケーブルでつなぎ、さらにSlingbox PRO-HDのコンポーネントビデオ出力端子とテレビのD入力端子を、別途用意した変換ケーブルでつなぐ。TZ-WR320PはHD映像を1系統にしか出力できないため、Slingbox PRO-HDとテレビ側をつなぐ必要があるためだ。
また、Slingbox PRO-HDからTZ-WR320Pをコントロールするために、付属の「赤外線リモコンケーブル」をTZ-WR320Pのリモコン受光部前に設置する。LANやHDMI経由でSlingbox側からDVRなどを操作できればいいのだが、そういう機能はないので、リモコンと同じ仕組みを使って操作する必要があるわけだ。
ちなみに、Slingbox PRO-HD本体を手の届きにくい場所に設置するつもりなら、リモコン設定が完全に終わるまでは手近に置いて設定作業を行ない、すべての設定が済んでから改めて本体を目的の場所に設置することをお勧めする。リモコンの設定については後述する。
視聴や設定にはSlingboxのサイトでユーザー登録が必要
Slingbox PRO-HDの設定や番組視聴は、すべてSlingboxのウェブサイトに接続して行なうのが基本となっている。そのため初回利用時には、メールアドレスを使ってユーザー登録する必要がある。視聴や設定にはサイトからサービスにログインして、ウェブブラウザー上で実行する(クライアントソフトもある)。利用に際して料金をとられることはないし、詳細な個人情報登録を求められることもないので、ためらう必要はない。
設定手順は複数あるが、大抵は自動化されているので特に難しいところは少ない。また、一旦設定した項目も後から変更できる。ネックとなるのはリモコンの設定だ。前述のように、Slingbox PRO-HDでは接続したテレビチューナーやDVRを操作するために、赤外線リモコンと同じ仕組みで付属の赤外線リモコンケーブルの先端から赤外線を発する方法をとる。
そのため、設定時に入力元の機器を選んで、その機器のリモコン情報をSlingboxのサービス側に登録。視聴する際には視聴ソフト「SlingPlayer」上で仮想リモコンを操作して、チャンネルを変えたり録画操作を実行する。ただし、正式発売前の本稿執筆時点では、日本でのみ流通している機器のリモコン情報はまだ多くないようだ。今回記者が使用したTZ-WR320Pは、2010年11月に発売されたばかりの新製品なので、当然情報もない。
基本的なリモコン設定手順は、機器の製品名やメーカー名を入力して該当機種を検索したり、リストから該当機種を選択するという手順となっている。試しに種別を「Satellite」(衛星放送)、メーカーを「SkyPerfec TV」としてみたが「有効な型番がありません」と出る。つまり現時点では、スカパー!用チューナーは登録されていない。メーカー名を製造会社である「Panasonic」にしてみたが、こちらにも該当機種はなかった。正式発売時には改善されることを期待したい。
ちなみに記者はここでとりあえず、リモコン設定を適当なものにして事実上スキップした。まずはネットワーク経由での視聴環境自体を構築し、リモコンは後で時間をかけて設定すればいいと考えたからだ。読者の方がSlingbox PRO-HDを導入する際も、とりあえずリモコンは後回しにして、まず視聴そのものを可能にする方をお勧めする。
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