グラフィック機能以外の性能は上々
CPUにはCore i5-560M(2.66GHz)を搭載し、メモリーはDDR3-1066を4GB積んでいる。グラフィックス機能はCPU内蔵機能を利用しているため、Windows 7のエクスペリエンスインデックスでは、グラフィックスがもっとも低い「4.5」となっている。動画を含めた通常使用には十分だが、3Dゲームにはつらいところだ。
内蔵HDDは1TBで、7200回転タイプを搭載。ストレージ性能ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で計測すると、連続読み出し速度は約97MB/秒、連続書き込み速度は約123MB/秒と、なかなか高速だ。
エクスペリエンスインデックスでのCPUスコアは、「6.9」と上々ではあるものの、Core i7を搭載したパソコンと比べて、動作のレスポンスがワンテンポ遅れることも多い。ハイエンドモデルとはいえ、あまりヘビーな処理が得意なわけではない。参考までに総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」のスコアも掲載しておく。
PCMark Vantage 64bitのスコア | |||
---|---|---|---|
PCMark | Memories | TV and Movies | Gaming |
5862 | 3517 | 3612 | 3792 |
Music | Communications | Productivity | HDD |
5823 | 8316 | 5321 | 3515 |
グラフィック性能が高くないとはいえ、ディスプレーの表示品質は良好だ。さらに、富士通独自の高画質化ボード「Dixel エンジンボード2」を搭載し、色鮮やかなハイビジョンテレビ映像を表示する機能も備えている。単に明るさを上げるのではなく、色飛びや黒つぶれしない自然な感じで鮮やかになるのだ。動画や写真を楽しむ際は、有効にしておきたい。
3波対応のデジタルテレビチューナーを搭載
FH900はテレビパソコンとしても優秀だ。地上/BS/110度CSデジタル放送に対応する3波チューナーを内蔵し、2番組の同時録画や裏番組の視聴が可能だ。ハイビジョン画質のまま10倍録画を可能にするハードウェアエンコーダー「DixelHD エンジン2」を搭載し、超長時間モードでは1TB HDDに約870時間も録れる。
視聴ソフトには「DigitalTVbox」を採用しており、録画番組をSDカードに書き出す機能も備えている。書き出した番組は、「ブルーレイディスクレコーダー連携」機能に対応しているNTTドコモの携帯電話機でも再生できる。
スピーカーの出力は6W×2で、「DTS Surround Sensation | Ultraパソコン」技術(関連記事)により、臨場感のあるサラウンドを楽しめる。音を大きくしても、すぐに割れるようなことはなく、パーソナルテレビと考えれば十分な音質だ。
3Dステレオ機能でBD 3Dも楽しめる
3Dステレオ映像表示に対応しているのもFH900の大きな特徴だ(関連記事)。3Dテレビ放送や「Blu-ray 3D」などを、3Dステレオ映像で楽しめる。3D表示方式は偏光板方式を採用しており、3Dメガネが軽く扱いやすい。パソコンには3Dメガネがひとつ付属しており、追加のメガネは3980円。とはいえ偏光板方式の3Dステレオ表示は、綺麗に立体化を得られる視聴ポイントが狭く、家族全員で3D映像を楽しむような使い方には向いていない。
2DのDVDビデオや写真などを3D化する「2D-3D変換」機能も備えている。試したところ、確かに映像の一部が立体的に見えることもあるが、必ずしも正確に見えるわけではない。あくまで本命はBD 3Dや3D放送であり、2D-3D変換にはあまり期待しない方がいいだろう。3D用に作られたコンテンツの立体感はなかなかのもの。3D対応のゲームがプリインストールされているので表示したところ、すごい奥行き感が楽しめた。
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