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行っとけ! Ubuntu道場! 第17回

~師範! クラウドがバズワードってホント!?~

2010年04月08日 16時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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そもそもクラウドって何ですか?

前佛:で……クラウドですが。クラウドよりはクラウドコンピューティングって言った方がいいですね。

hito:クラウドコンピューティングの基本って、「インターネット越しにサービスを提供してもらうなにか」みたいな感じですね。

あわしろいくや:ですなぁ。

小林:SaaSとPaaSとIaaSがありますね。

編集S:はーい師範、よくわからない単語を増やさないでください!

小林:SaaSは「Software as a Service」の略ですね。「ソフトウェアをサービスとして提供する」とでも訳せばいいでしょうか。Salesforceが有名です。

やまね:SaaSって呼び始めたのはSalesforceだね。

編集S:それってどんなもんなんでしょ。

小林:購読契約に基づいて、ソフトウェアのうち「必要な機能だけ」を使う、というものですね。

あわしろいくや:スケジュールとか、会計とかが多いですな。ブラウザを開いて、そこに数字を入力すると会社内部の基本的な支払い手続きが終わったりとか。

やまね:会計とか、グループウェアとかが多いねー。

前佛:いわゆる「Webアプリ」だと思っておくと、そんなに間違ってないと思います。

ミズノ:GmailとかGoogleカレンダーも割と典型的なSaaSかな。基本利用が無償だから分かりにくいですけど。たいていブラウザ使って接続しますが、専用アプリだったりすることもありますね。

あわしろいくや:Ubuntu的にはUbuntu OneがSaaSに分類されるような、PaaSの方が妥当なような……。

編集S:ふむ。なんとなく分かった。PaaSって何でしょ。

hito:PaaSは「Platform as a Service」です。マイクロソフトのAzureとかGoogle App Engineとか。

やまね:SalesforceのForce.comサービスもそうかな。代表例だとこれぐらい。

小林:これは「ソフトウェアを動かす環境をサービスとして提供する」という感じですね。

編集S:師範、やっぱりよく分かりません!

前佛:Webアプリ系って、「ユーザーが自分で作ったソフトウェア」は使えないじゃないですか。カスタムプラグインはありますが……。

hito:で、「あなたの作ったWebアプリを動かすための環境をお貸ししますよ」みたいなサービスがPaaSですね。

あわしろいくや:SaaSとの区別が分かりにくいのが困ったところですな。

瀬尾浩史:サービス提供元のデータセンターで動いているのは同じペン。SaaSだとメーカーが作ったアプリで、PaaSになるとユーザーが作ったアプリを動かすことが前提ペン。

前佛:カスタマイズ状況によってはSaaSの一部としてユーザーが書いたプログラムが動くこともありますが、「サービスの前提」がどちらか、と考えるのがいいと思います。

編集S:なんとなく理解。

小林:最後にIaaSですね。これが今回のEC2やEucalyptusの話に直接関わってきます。

編集S:IaaSってそもそも、何の略ですか?

ミズノ:いあいあセオペン(Ia, Ia, Seopen)。

瀬尾浩史:それだとIaIaSなのでIaaSではIが足りないペン……。はっ、愛が足りないペン。……ペンギンに愛の手とおしごとを~。

ミズノ:あい! あい! セオペン!(Ai! Ai! Seopen!)。

前佛:それはむしろ合いの手ですがな。

編集S:そこ、クトゥルー知らないと分からないギャグはやめれ。

hito:ゲストの前佛さんまでツッコミ役になってる……。

小林:いあいあ……じゃなくて、IaaSというのは「Infrastructure as a Service」ですね。

前佛:PaaSは「アプリケーション実行環境」でしたが、IaaSになるとネットワークスイッチとかサーバーとかを含めて、実行に必要なインフラ全部をサービスとして提供するようになります。

あわしろいくや:PaaSだとOS部分はデータセンター側でうまく管理してもらえますが、IaaSになると、ほんとにまるごと「ごろっ」とマシン環境がもらえます。

編集S:それってVirtualBoxとかVMwareみたいな仮想マシン?

前佛:仮想マシンであることは必須条件ではないですが、現実的には必須ですね。無数のハードウェアを準備しておいて、必要に応じてラックマウントして提供、というやり方も不可能ではないですが、「ニーズに応じて借りられますよ」というサービスなので、仮想マシンじゃないと不可能だと思います。

編集S:ううう、わかんなくなってきた。

瀬尾浩史:たとえば……Webサイトでは、需要の増減が激しいペン? ある瞬間にはユーザーさんが一気に訪れるけど、ヒマな時はあんまりお客さんがこないペン。たとえば雑誌のサポートサイトなんか特にそうだと思うペン。

編集S:ふむ。確かに。年賀状作成本のサポートサイトに4月に来る人は少なそうだ。

あわしろいくや:そういう場合、アクセスが集中しそうなタイミングでサーバー増やすのが基本ですな。負荷分散みたいな感じで。

小林:ところが、そう簡単にサーバーは増やせるものではないので……。ハードウェアを発注してセットアップしてラックマウントしてケーブルをつないで……とやっていると、非常に時間がかかります。

hito:しかも、「忙しい時」用に組んでしまうと、アクセス数が落ち着いた時にはそのハードウェアは遊んでる状態になっちゃいますよね。

前佛:「ハードウェアを任意に増減させる」というのがIaaS型のメリットですね。ちょっと操作するだけで、扱えるサーバーを10台増やしたり、といったことができます。

編集S:なるほど。で、SaaSもPaaSもIaaSもクラウドコンピューティング?

前佛:そうですね。バズワードの方だとさらに色々な概念を含みます……。

村田:ぷすんぷすんぷしゅー。

編集S:味噌ーっ! 先に逝くなー!

小林:今回は村田さんが煙を噴きました……。そういえば沈黙していたような。

瀬尾浩史:仕方ないペン。片付けておくから次のページに行くペン。


(次ページへ続く)

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