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ネット音楽レーベルの社員・むらたさんがCDデビューする理由

2010年03月08日 12時00分更新

文● 盛田諒/ASCII.jp編集部

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「個人は趣味」「会社は仕事」のあり方が逆転したんじゃないか

―― そこで聞きますけど、「ネット系のレーベル」って何なんですか。その「良いなれあい」は、クリエイターとファン同士が勝手に作ってしまうものかもしれないですよね。

音楽家・まつきあゆむさんが創設した「自分の活動を支える基金」ことM.A.F

ADmurata ……はははは。何なんですかね。うーん。

―― 自分ですべての著作権管理をする人もいれば、イベントでモノを売る人もいて。セルフマネジメントをしてMP3を売る人なんかもいるんです。

ADmurata もちろん知ってますよ。そうですねー……それが個人で出来れば、個人でやってもいいと思うんです。業界の凝り固まったマネジメントとかも微妙だな、とは思うし。相手の立場になれば、ファンの方もアーティストから直接買った方が嬉しいわけだし。じゃあ何がいいんだろうと思うと……。

―― すいません、こんな一問一答で簡単に答えが見つかるわけないんですけど。

ADmurata ははは。でも、うーん……関係が逆転してるのかな、と思うことはあります。

「関係が逆転してるのかな、と」

―― 逆転?

ADmurata たぶん個人でモノを作って、それで食べていこうとすると「好きなことさえ出来てればいいよね」じゃなくなりますよね。ファンにウケるモノを作る必要が出てくる。でもクリエイターとして作りたいモノは別の場合もある。そういうフラストレーションを発散する「趣味」の場として、こっちが機能するというのもあるかもしれない。

―― なるほど。そこにいるのがむらたさんであり、レーベルとしてのLOiDだと。

ADmurata 特にボーカロイドはクリエイターもファンも若年層がすごく多いから、ちょっと経験のある人から「それってどうなの」と言われると「え、どうなんだろう……」と不安になってしまうことが多いと思うんです。

中学校の式典などで初音ミクの曲を歌ってもらおうというプロジェクト「桜ノ雨」も話題を集めた

―― でも、いざそこを割り切ってファンサービスさえやってれば、ゼロから始めるよりも「売りやすい」わけですよね。ともすれば、それだけで食っていける。

ADmurata 確かに売れるかもしれないですけど、流行ありきで考えてしまうのは、クリエイターとしては危機的な状況だと思うんです。かなり反論もあるかと思いますけど、ニコニコの曲で言えば「初音ミク」が前提で、中心にはいつも「ボーカロイド」のコミュニティーがあるように見える。それがダメとは思わないし、色々生まれて面白いけど、本来あるべき進化をジャマしている感じはするんですよ。

―― それこそ「なれあい」に。

ADmurata 最初ってネットはもっと本質的に暖かくて、人間らしかったと思うんです。懐古主義じゃないですけど「あめぞうBBS」とか2ちゃんねるも、自分たちなりのルールで人間関係をゼロから構築しようとしたと思うんですよね。でも今は逆で、mixiなんかはお互いを知ってるのが前提じゃないですか。みんな最初から与えられたものに乗っかって、それが壊れるのを怖がっているって気がして。

―― そんな状況の中で、ネット系レーベルには何が出来るんですか。

ADmurata ネットクリエイターって、マヒしてるところもあって、ネット周りではもてはやされるんですけど、一歩外に出ると「は? 誰?」なんですよ、まだ圧倒的に。それ、もったいないと思うんです。ニコニコを知らないテクノ好きがちゃぁさんとか、MOLさんの曲を聴いて「なんだこいつは!」と思う。それが出来るのは、まだ今は「レーベル」だと思うんです。

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