恐るべし大自然の驚異!
メロンランサー、木に激突しリタイア
ラリーとは、大自然と人類の英知の結晶が戦うモータースポーツである。ちょっとでも油断、ミスをすれば、自然から容赦のない鉄槌が下る。それがとうとうメロンランサーに起きてしまったのだった。
道の駅でメロンランサーを見送った我々は、サービスパークに戻ってきて、メロンブックスブースの前でSS速報に目を通していた。すると、チームのメカニックがやってきて「SS3でコースアウトし、リタイヤしました。2人ともカラダは無事ですが、クルマは引き上げ作業が必要」と告げた。一瞬にして空気が凍り付くメロンブックスブース。乗員は無事らしいので、帰ってくるのをファンもスタッフもみんなで待っていた。
すると、スイーパー(コースを一番最後に走るオフィシャルカー)に拾われて、浜選手と中村選手が帰ってきた。2人とも意外にも笑顔だ。さっそく中村選手に話を聞くと「SS3を走行中、本来なら減速して曲がらなければいけないコーナーにアクセル全開で突入、結果まったくクルマが曲がらずに土手を乗り越えてコースアウトしてしまった。70km/hくらいのスピードで突っ込んだので、確実に空を飛んだと思う。そしてそのまま、立木に激突して止まった。幸い、怪我はまったくなかった」とのこと。
メロンランサーがリタイヤした「SS3 サザンカ2」は、午後からリエゾンになるため、時間帯を見計らって、メロンランサーの救出作業に向かう。たまたま会場にJAFのレッカー車がいたため、すぐに移動することができた。時間をかけて慎重にサルベージし、そのままレッカーで引っ張ってサービスパークに戻ってくると、メロンランサーの帰りを待ちわびた大勢のファンに囲まれる。無惨な姿になったメロンランサーに皆言葉もなかったが、ラリーのすべてのプログラムが終了し、各チームが撤収作業に入っている中、それでも帰らずに待ち続けてくれるファンがいるというのはチームにとっての財産だと言える。
奇しくも先週のミクZ4が3周でリタイア、そして今回、メロンランサーがSS3でリタイアと、痛レースカーにとって、共に歯がゆい最終戦となってしまったが、これもレース。勝てるという絶対的な保証がないから面白いのだ。
メロンブックス・ラリーチャレンジ2009は、ひとまずこれでおしまい。シティからランサーエヴォリューション7にシフトして挑んだラリー&ダートラ。いろいろと波乱はあったが、泥だらけになって戦うその姿は、きっと全国の痛車ファンに夢を与えたに違いない。メロンランサーを目当てに足を運ぶファンも増え、自動車離れ、レース離れが深刻な日本ラリー界に去年以上の旋風を巻き起こしたことだろう。そう、まだまだクルマ好き、レース好きはいなくなったワケではないのだ。もはや、めろんちゃんの2人はラリー&ダートラには欠かせないキャラになっている。ぜひ来年もモータースポーツの火を灯し続けてほしい。
なお、近日中に総集編として今年1年間のメロンランサーインカービデオをドドーンと掲載するので、お楽しみに!
(次ページへ続く)
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